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「そういえばキミ・・・明日、何か大切なことがあるの?」



しばらく海を眺めていた優男が、思い出したように聞いてきた。



「明日は、新しい会社の初日よ。」



「そうなんだ、良い会社だと良いね。」



「良い会社よ。」



まだ入社もしていないのに言いきった私を、優男は不思議そうに見てきた。



「花崎さんが選んだ人達が働いている会社だもの。
良い会社に決まってるでしょ?」



「ハナサキ・・・さん・・・。」



「あ!花崎さんは女の子よ?」



また変に勘違いされたら嫌なので、先に言っておく。
そんな私を見ながら、優男は面白そうに笑った。



「そっか、そっちも女の子なんだ。
最近、僕も・・・今後大きく関わってくる予定のハナサキさんのことで、よく仕事してるから。」



そう言った時、優男のスマホが鳴った・・・



優男がゆっくりと丁寧な動きでスマホを取り出し、確認する・・・




「・・・ごめん、仕事だ。」



「アナタ、何の仕事してるの?
あ、待って・・・やっぱり当てたいから言わないで。
今度またチャレンジさせてちょうだい。」
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