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立ち尽くしている優男を放って、優男の部屋のクローゼットを開ける。
綺麗なスーツ・・・高級だと分かる綺麗なスーツを眺め、私は鼻で笑う。
全部捨ててしまいたい、と思ったから。
その中から数少ない私服を手に取り、優男に渡す。
「着替えなさい。」
私が手に持つ私服を、呆然と眺めている。
私は溜め息を吐き、優男の目の前に立つ。
パジャマのボタンを外そうとすると、その手を優男が震える手で掴んだ。
「やめてください・・・。
僕は・・・ここから出ません・・・。
ここの中でだけしか、アナタには会えません・・・。」
「イヤよ、こんな部屋の中でだけなんて、私は絶対にイヤ。」
「本当は・・・この中にも・・・アナタを入れたくありませんから・・・。」
「そうでしょうね。
全て、1つだけ・・・。
この部屋の中にある物は全て・・・。
この、高級そうな物で揃っている部屋の中にある物は、全て1つずつですもんね?」
部屋の中を見渡す。
小さなダイニングテーブルの椅子は1脚。
1人掛けのソファーと、小さなローテーブル。
1つしかなかいシャンパングラス。
「ワイングラスも買っていないの?」
私が聞くと、優男の瞳がまた揺れる・・・。
綺麗なスーツ・・・高級だと分かる綺麗なスーツを眺め、私は鼻で笑う。
全部捨ててしまいたい、と思ったから。
その中から数少ない私服を手に取り、優男に渡す。
「着替えなさい。」
私が手に持つ私服を、呆然と眺めている。
私は溜め息を吐き、優男の目の前に立つ。
パジャマのボタンを外そうとすると、その手を優男が震える手で掴んだ。
「やめてください・・・。
僕は・・・ここから出ません・・・。
ここの中でだけしか、アナタには会えません・・・。」
「イヤよ、こんな部屋の中でだけなんて、私は絶対にイヤ。」
「本当は・・・この中にも・・・アナタを入れたくありませんから・・・。」
「そうでしょうね。
全て、1つだけ・・・。
この部屋の中にある物は全て・・・。
この、高級そうな物で揃っている部屋の中にある物は、全て1つずつですもんね?」
部屋の中を見渡す。
小さなダイニングテーブルの椅子は1脚。
1人掛けのソファーと、小さなローテーブル。
1つしかなかいシャンパングラス。
「ワイングラスも買っていないの?」
私が聞くと、優男の瞳がまた揺れる・・・。
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