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“またインターフォンを鳴らして来る”
優男にはそう伝えたけど・・・
結構毎日忙しくて、それどころではなく。



「やっぱり、私の趣味じゃないわ。」



可愛い下着を手に取りながら言った私に、店員の女の子が楽しそうに笑った。



有給休暇の消化中・・・
次の職場の店舗に何件も回り、そこの店員から事情を説明し色々と教えて貰っている。



内定通知書を見せると、どの店員の子も顔を輝かせ私に笑い掛ける。
そして、事細かにその店舗のことをお客さんがいない間に教えてくれる。



「屋敷さんはセクシー系ですか?」



「完璧にそっちね!」



そんな話に、店員の子は結構グイグイに私の趣味を聞いてくる・・・。



“うちには、そのようなことで泣いてしまう女の子はいません。”



花崎さんが面接で言っていたことを思い出す。
どの店員の女の子達も、“可愛い女の子”という感じなのに・・・心は弱くない。
むしろ、すごく強い。



でも、気が強いとかそういうのではなく、柔軟な子が多いのだけど・・・。
この強さを何と説明したらいいのか、私には分からない・・・。



「あなたは・・・社員なの?」



「私はバイトです!大学4年で!
社員さんも裏にいますが、呼んできますか?」



そう、バイトの子まで本当に質が良い。
売上への意識、人気商品だけでない各商品の把握、これまでの企画や陳列、お客さんの動向、お客さんへの対応・・・



教育が行き届いているから似たり寄ったりになりそうなのに・・・
各店舗ごとにちゃんとカラーがあり、なのに店舗の中の人材に彩りも感じる・・・。




“花崎さんが選んだ子なんだから。”




あの子のことを思い出して、また笑ってしまう。
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