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言葉が・・・出てこない・・・。


こんなの、「はい」って言えばいいだけなのに・・・。


声が、私の喉から先に出てこない・・・。



それなのに、冷や汗だけは出てくる・・・。



そんな私を、花崎さんがジッと見てくる・・・



この子は、何者なの・・・?




今まで生きてきて、誰かを“怖い”と思ったことなんてなかった。
むしろ、私のことを“怖い”と言う人ばかりで・・・。




そんな私が、逆らえない・・・。
この子に、この子には、逆らえない・・・。





「大嫌いです。」
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