【完】ソレは、脱がさないで

11

11-21

「知ってた・・・？どういうことだ！？」



町田元部長は驚いているけれど、私も驚いていて・・・。



「そんなの、王子が入社初日からちゃんと言ってたわよ。」



「入社初日からだと・・・？」



「8年っていうのは知らなかったけど・・・
ずっと前から花崎さんのことが好きで、花崎さんに選んで貰うために入社したって。
花崎さんの隣に立てる男になるために、どうしても営業で1番になりたいって。
だから、胸を確認させてくれませんか？って・・・有名な話よ？」



驚きながら隣に立つ藤澤さんを見ると、照れたような顔で私に笑い掛けた。



「だから、“王子”って呼ばれてるじゃない。」



「それはこの男の見た目だろ・・・？」



「そんなわけないじゃない。
うちの会社に入るような女が、そんな可愛い理由でそんなこと言うわけないじゃない。」




屋敷さんが綺麗な顔を優しい笑顔にして、私を見上げた。




「あなたを迎えに来た男だからでしょ？
うちのお姫様を・・・。」