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面接が終わり、最後にこの人に伝える。
「もしも、採用された場合・・・」
この人を、真っ直ぐ見て・・・
ちゃんと、伝える・・・。
「その女の子のことは、諦めてください。」
「何故ですか?」
「女の子のことよりも、会社の利益になることを・・・それを、ちゃんと考えてください。」
「会社の利益ですか・・・。
分かりました。」
この人は本当に分かったのか・・・
アッサリと引いて、去って行った・・・。
私は、必死に酸素を求めて呼吸をする・・・。
その隣で、町田部長が大声で文句を言っているのを見て、この人は本当に何も感じていないのだと、改めて落胆する。
あんなに・・・
あんなに・・・
太陽を背負っている人に・・・
あなた、何も感じなかったの・・・?
あの人の目を思い出す・・・
希望に満ち溢れた目が、戻っていた。
そこに、静かに揺れるような熱が加わっていた・・・。
1度、大きな挫折を経験した人・・・
決して、勢いのある熱ではない。
鋭いような、強いような、激しいような、熱ではない。
静かに揺れるような熱だった・・・。
長い長い雨が続いているような・・・
そんなうちの会社の雨を止ませてくれるような人・・・。
大きな挫折を経験したあの人だから、あの太陽を背負えた・・・。
熱い太陽ではない、燃えるような太陽ではない・・・。
雨が上がった後に出てくるような、優しくも希望に満ち溢れる光を差し込ませるような、そんな太陽の光、熱だった・・・。
そして、新たな季節を巡らせるような力も感じる・・・
いつか、いつか、この会社の“王子”となる人だと、思った・・・
いつか、いつか、名波社長の横に立っている、この会社の“王子”だと、確かにそう思った・・・。
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「もしも、採用された場合・・・」
この人を、真っ直ぐ見て・・・
ちゃんと、伝える・・・。
「その女の子のことは、諦めてください。」
「何故ですか?」
「女の子のことよりも、会社の利益になることを・・・それを、ちゃんと考えてください。」
「会社の利益ですか・・・。
分かりました。」
この人は本当に分かったのか・・・
アッサリと引いて、去って行った・・・。
私は、必死に酸素を求めて呼吸をする・・・。
その隣で、町田部長が大声で文句を言っているのを見て、この人は本当に何も感じていないのだと、改めて落胆する。
あんなに・・・
あんなに・・・
太陽を背負っている人に・・・
あなた、何も感じなかったの・・・?
あの人の目を思い出す・・・
希望に満ち溢れた目が、戻っていた。
そこに、静かに揺れるような熱が加わっていた・・・。
1度、大きな挫折を経験した人・・・
決して、勢いのある熱ではない。
鋭いような、強いような、激しいような、熱ではない。
静かに揺れるような熱だった・・・。
長い長い雨が続いているような・・・
そんなうちの会社の雨を止ませてくれるような人・・・。
大きな挫折を経験したあの人だから、あの太陽を背負えた・・・。
熱い太陽ではない、燃えるような太陽ではない・・・。
雨が上がった後に出てくるような、優しくも希望に満ち溢れる光を差し込ませるような、そんな太陽の光、熱だった・・・。
そして、新たな季節を巡らせるような力も感じる・・・
いつか、いつか、この会社の“王子”となる人だと、思った・・・
いつか、いつか、名波社長の横に立っている、この会社の“王子”だと、確かにそう思った・・・。
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