【完】この夏、人生で初めて海にいく(カットページ掲載済2023.5.30)

Bu-cha

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まさかの、女社長・・・紅葉ねえちゃんの名前が出てきた。



オーシャンの空気が動きだす。
激しく・・・激しく・・・荒れ狂うように、動きだす・・・。



「俺は木葉と個人契約を結んでいたわけではない。
俺は、雷さんと個人契約を結んでいた。」



そんな・・・



そんな・・・驚くことしか出来ないことを言って・・・



「雷さんが2年間、あの男の会社に潜り込んだ。
俺が高校を卒業するタイミングに合わせて雷さんは退職をして、紅葉さんの経営コンサルティングの会社に“転職”をした。
そして、次は俺が・・・。」



「雷が・・・?
雷がオーシャンをあの会社に・・・?」



「俺は“男”さんと木葉とはタッグを組んでいたからそれは契約ではなくて。
雷さんから依頼されていたのは、紅葉さんの会社をより早く大きくしていくための情報・・・。」



「女社長の会社を?」



「紅葉さんと雷さんは“アヤメ”ちゃんのためにあの男を殺そうとしていた。
だから、あの会社名を早く大きくする必要があった。
そうでなければ、あんな大会社の社長と闘えないから。」



その話を聞いて、呟いた・・・。



「極上に良い女・・・。」



わたしが呟いた言葉にオーシャンは大きく頷いた。



「明ちゃんのきょうだい達が大切にしている言葉だよね。
“極上に良い女”と“極上に良い男”。
愛して愛して仕方ない相手がいて・・・“権力”も兼ね備えている極上に良い女と男。
“権力”もなければいけなかった。
あの男を殺すためには、“権力”もなければいけなかった。」



「でも、それは“アヤメ”が藤岡副社長と・・・。」



藤岡ホールディングス。
大企業中の大企業・・・。
親族で何代も受け継いできた大企業。
その会社の副社長が“アヤメ”のバックについてくれ、あの男を殺したとあたしは聞いていた。



「“アレ”も必要だった。
でも、“アレ”だけでは不十分だった。
全てが・・・本当に、全てが・・・上手く機能した。」



「上手く機能・・・?」



「“アヤメ”ちゃん、紅葉さんと雷さん、“男”さんと木葉。
そして・・・極上中の極上に良い男である藤岡副社長がその全てを上手く動かしてくれた。
全てがなければいけなかった。
あの全てがあったから、あの男を殺せた。」
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