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父さんと母さんの夢のマイホームの中、正座で父さんと向き合う。
「オーシャンがこんなにやりたいって言ってるんだから、やらせてあげればいいでしょ!!!!」
「バイトするのはもういいんだよ!!!!
調査会社っていうのが俺はイヤなんだよ!!
コソコソ人のこと嗅ぎ回ってる奴なんてイヤだろ!!!」
父さんは俺の目の前であぐらをかきながら、キッチンにいる母さんと今日も怒鳴り合いの喧嘩をしている。
ダイニングテーブルではみかが冷めた感じでデザートを食べている。
最近は、調査会社でバイトをしたいという俺を認めてくれない父さんに毎日説得をしている。
そして途中から母さんがフォローに入ってくれるんだけど、最終的には夫婦喧嘩に進展してしまう。
「オーシャン!!お母さんがOK出してるんだから、もうやりな!!!
必要な書類もお母さんが書くから!!!」
今日もそう言ってくれるお母さんに俺は首を横に振る。
そういう風には育てられてない。
俺は、そういう“男”には育てられてない。
目の前で男らしい顔で俺を睨み付けている父さんを今日も真っ直ぐ見る。
そして、口を開いた。
「大切なのは、どうやって育てられたかなんだ。」
最初の頃に木葉君と一緒に働きたいという理由でコテンパに怒られてからは、調査会社についてのレポートをまとめたり、俺が成長出来る可能性の分析をまとめたり。
そんな話をしていたけど、今日はさっきの木葉君の大きな大きな右手を思い出す。
大きな大きな右手が少し震えていたのを思い出す。
「良いことも悪いことも世の中の何に対しても、年齢も性別もどんな血が入っていようと・・・名前も関係ない。」
「なんだよ、それ?」
「父さん、俺はオーシャンっていう名前が大嫌いだったよ。
恥ずかしくて恥ずかしくて、大嫌いだった。」
初めて言った言葉に父さんの目が鋭く俺を見詰めた。
怒鳴られるかと思ったけど父さんは怒鳴らなくて・・・睨むように俺の目を見詰めるだけ。
「俺は、オーシャンっていう名前を付けた父さんと母さんをバカにされるこの名前が大嫌いだったんだ。」
俺がそう言うと、珍しく父さんが無言のまま頷いた。
「そんな俺の名前を、木葉君が言ってくれたんだ。
“オーシャンなんて格好良い名前付ける親だからな、強くて格好良いんだろうな”って。」
「オーシャンがこんなにやりたいって言ってるんだから、やらせてあげればいいでしょ!!!!」
「バイトするのはもういいんだよ!!!!
調査会社っていうのが俺はイヤなんだよ!!
コソコソ人のこと嗅ぎ回ってる奴なんてイヤだろ!!!」
父さんは俺の目の前であぐらをかきながら、キッチンにいる母さんと今日も怒鳴り合いの喧嘩をしている。
ダイニングテーブルではみかが冷めた感じでデザートを食べている。
最近は、調査会社でバイトをしたいという俺を認めてくれない父さんに毎日説得をしている。
そして途中から母さんがフォローに入ってくれるんだけど、最終的には夫婦喧嘩に進展してしまう。
「オーシャン!!お母さんがOK出してるんだから、もうやりな!!!
必要な書類もお母さんが書くから!!!」
今日もそう言ってくれるお母さんに俺は首を横に振る。
そういう風には育てられてない。
俺は、そういう“男”には育てられてない。
目の前で男らしい顔で俺を睨み付けている父さんを今日も真っ直ぐ見る。
そして、口を開いた。
「大切なのは、どうやって育てられたかなんだ。」
最初の頃に木葉君と一緒に働きたいという理由でコテンパに怒られてからは、調査会社についてのレポートをまとめたり、俺が成長出来る可能性の分析をまとめたり。
そんな話をしていたけど、今日はさっきの木葉君の大きな大きな右手を思い出す。
大きな大きな右手が少し震えていたのを思い出す。
「良いことも悪いことも世の中の何に対しても、年齢も性別もどんな血が入っていようと・・・名前も関係ない。」
「なんだよ、それ?」
「父さん、俺はオーシャンっていう名前が大嫌いだったよ。
恥ずかしくて恥ずかしくて、大嫌いだった。」
初めて言った言葉に父さんの目が鋭く俺を見詰めた。
怒鳴られるかと思ったけど父さんは怒鳴らなくて・・・睨むように俺の目を見詰めるだけ。
「俺は、オーシャンっていう名前を付けた父さんと母さんをバカにされるこの名前が大嫌いだったんだ。」
俺がそう言うと、珍しく父さんが無言のまま頷いた。
「そんな俺の名前を、木葉君が言ってくれたんだ。
“オーシャンなんて格好良い名前付ける親だからな、強くて格好良いんだろうな”って。」
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