【完】この夏、人生で初めて海にいく(カットページ掲載済2023.5.30)

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少し大きめの制服を着て、俺のクラスの教室に入った。
早めに着いたから生徒は少なめで全員が静かに机に着いている。



それを確認してから黒板へ。
座席表から俺の名前を見付けその席へ移動する。



“オーシャン”というカタカナでなかった分、それだけは良かった。
漢字だけでは“オーシャン”だなんて思われないから。



そう思いながら席に座っていると・・・
女の子達は席の近い子同士で話している子もいたけど、男子達は全員が静かに座っていた。



こういう雰囲気の中で1番に動くタイプでは全くないので、俺もそれに従う。



静かに席に着いたまま時間だけが過ぎ、クラスのほとんどの席が埋まった。
ほとんどの席・・・。



男子の列の1席以外は全てが埋まった。



その状態のまま、あと数秒でホームルームが始まる時間になろうとした。



なろうとした、その時・・・



教室の前の扉から1人の男子生徒が入ってきた。



なんでか分からないけど、見てしまった。
それは俺だけではなくて・・・全員が何故かその男子生徒に気付いた。



それくらい存在感があったから。



高校1年生なのに身長が180センチはありそうで、制服を着ていても筋肉がついているのが分かる大きな身体。



よく日に焼けた健康的な肌に、真っ黒な短髪の髪の毛。
顔はスッキリとした男らしい顔をしていて・・・。



“普通”ではなかった。
どう見ても“普通”の雰囲気ではなかった。



“普通”の高校生ではないと誰もが思っただろうし・・・



凄い格好良かった・・・。



ただ教室に入ってきただけなのに・・・。



それなのにこんなに格好良く登場した同級生の男子に・・・



俺は・・・惚れそうになってしまった・・・。