【完】この夏、人生で初めて海にいく(カットページ掲載済2023.5.30)

Bu-cha

文字の大きさ
上 下
194 / 248
6

6-22

しおりを挟む
そして、いつものように可愛いドレッサーの前でお化粧をしていく。
そんなあたしの姿を、スーツを着たオーシャンがダブルベッドに腰を掛け見ている。



「それ、可愛いドレッサーだよね。」



「剛士がくれたの。
まだ男みたいだったあたしに、こんなに可愛いドレッサー。」



「明ちゃんは昔から可愛い物が好きだったからね。
・・・たまに、変な物まで可愛いとか言ってたけど。」



「オーシャンが描いたネコの絵とか?」



あたしがお化粧をしながら笑うと、オーシャンが楽しそうに声を上げて笑っている。



「俺、美術だけは成績が悪かったからね。」



「あんなに下手な絵描けるのも逆に才能だよ~!!
あのネコの絵見て、可愛すぎて鼻血出たからね?
死にそうな空気の剛士に写真見せたら凄いビックリしてて、その空気も忘れられない!!」



「・・・剛士君にまで見せてたの?」



「だって、剛士が死にそうな空気出してたんだもん。
あれなら一発でそんなの消し去るくらいの威力だから~!!」



「剛士君が生きてこられたのは、本当に明ちゃんが傍にいたからだろうね。
いくら“男”だったとしても、剛士君は当時子どもで。
7歳の“男の子”が“女”として生きる覚悟を決めて、“あの人”を殺すためだけに生きるなんて普通は出来ないからね。」



可愛いドレッサーの鏡でお化粧を続けていたあたしに、オーシャンがそう言った・・・。



“アヤメ”が“男”だったとは知らなかったオーシャンが。
そんなオーシャンが、剛士があの男を殺すためだけに生きていたことを知っている・・・。



お化粧をしていた手を止めたあたにし、オーシャンの空気が緊張で張り詰めた。



そんなオーシャンに無理にでも空気を動かして聞いた・・・。



「“アヤメ”のこと、知ってたの・・・?
“アヤメ”が“あの男”からされてたことを知ってたの・・・?」



“あの人”と言った。
オーシャンは“あの人”と言った。



オーシャンをゆっくりと見ると、オーシャンは真剣な顔で緊張した空気をしている。
そんなオーシャンにもう1度聞いた。



「“アヤメ”の父親が・・・あたしや“木葉”の父親が“あの人”だって分かってて、オーシャンは前の会社に入社をしたの?」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語

六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

自習室の机の下で。

カゲ
恋愛
とある自習室の机の下での話。

М女と三人の少年

浅野浩二
恋愛
SМ的恋愛小説。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

処理中です...