【完】この夏、人生で初めて海にいく(カットページ掲載済2023.5.30)

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“夏休み”・・・。
“あたしの夏休み”・・・。
会社で取らなかった“あたしの夏休み”・・・。



“時間が出来る夏休み”・・・。



今にも泣きそうな顔でオーシャンがあたしにそんなことを言う。
“死んでいる空気”が弱くなったオーシャンにあったのは、大きいどころか激しい感情の“波”だった・・・。



さっきから感じているオーシャンの空気は、大きいだけではなくて激しい“波”のようで。
こんなに激しい“波”を誰かから感じたのは人生で初めてだった。



それくらい勢いがあって、それくらい激しい・・・。



色々な激しい感情が次々に迫ってくる“波”が、あたしの足先ではなく“心”まで近付いてくる感覚だった。



そんな感覚を感じながら、オーシャンを見上げる。



“木葉”にソックリな顔のあたし・・・。
でも、オーシャンの目は・・・
オーシャンがあたしを見詰める目は・・・



どこをどう見ても“あたし”を見詰めている目で・・・。



激しく熱い視線の空気が、真っ白な水着の肌まで一瞬で焦がしてしまいそうなくらいで・・・。



そんな目で、オーシャンがあたしのことを見る・・・。



ずっとずっと、恋い焦がれていたオーシャンが・・・。



あたしのことをそんな目で見てくれているように見える・・・。



そんなオーシャンに伝えた。



「誰にも見せない。
“この夏”だけじゃなくて、来年の夏もその次の夏も。
これから先の夏、あたしの人生全部の“夏休み”はオーシャンにあげる。」



そう言ったあたしにオーシャンは凄い驚いた顔をして・・・
泣きそうな顔になって・・・



筋肉隆々の身体であたしの上に覆い被さってきた・・・。



「あ・・・っ」



あたしの“女”である証明の所にオーシャンの熱すぎる熱がつけられたのを感じ、思わず声を出した・・・。