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オーシャンは“病気”ではない。
だから瞳ちゃんでもオーシャンの“病気”は見付けられなかった。
だって、“死んでいる”から。
“死んでしまいそうな空気”
ずっとそう思っていたけど・・・。
“アヤメ”から感じていたその空気とはどこか違っていた。
“アヤメ”からは“死んでしまいそうな空気”の中からも、“生きよう”としている空気を感じていた。
でも、オーシャンからその空気を感じることはなかった。
その感じが“死にそうな空気”というよりは“死んでいる空気”のようにも思っていた。
“木葉”と何かあった時から、もしかしたらオーシャンは死んでしまっているのかもしれない。
そんな中でもあたしに向ける“オーシャン”の空気には強すぎる感情豊かな空気がある。
楽しい空気や嬉しい空気だけでなく、悲しかったり辛かったり苦しい空気だけど。
それでも、瞳ちゃんは“泣いている顔が幸せな顔の場合”もある。
そう言っていた・・・。
いつも優しい顔で穏やかな空気の“ひろみ”や“真坂部長”ではなく、“死んだ空気”の中でも“泣きそうな空気”が・・・もしかしたら“オーシャン”の幸せな空気なのかもしれない。
死んでいながらも、涙を流そうとするくらいに強い感情なのだから・・・。
それをあたしは勉強した。
“女友達”の瞳ちゃんの前で人生で初めてあんなに泣いて、あたしは勉強した。
あたしは泣きたくなかった。
強くなりたかった。
苦境の時こそ明るく楽しく笑っていないと乗り越えられないと思っていた。
でも、もしかしたら違ったのかもしれない。
それを今回初めて“女友達”はあたしに勉強させてくれた。
泣かない強さより泣いた弱さの方が・・・
ずっとずっと、強くなれる時もある・・・。
缶ビールの蓋を開けたあたしをオーシャンが驚いた顔で見ている。
あたしが泣いているからだと思う・・・。
あたしは泣きながらもオーシャンを見詰める。
「生き返って、“オーシャン”。
あたしは“オーシャン”に会いたい。
生きてる“オーシャン”に会いたい。」
だから瞳ちゃんでもオーシャンの“病気”は見付けられなかった。
だって、“死んでいる”から。
“死んでしまいそうな空気”
ずっとそう思っていたけど・・・。
“アヤメ”から感じていたその空気とはどこか違っていた。
“アヤメ”からは“死んでしまいそうな空気”の中からも、“生きよう”としている空気を感じていた。
でも、オーシャンからその空気を感じることはなかった。
その感じが“死にそうな空気”というよりは“死んでいる空気”のようにも思っていた。
“木葉”と何かあった時から、もしかしたらオーシャンは死んでしまっているのかもしれない。
そんな中でもあたしに向ける“オーシャン”の空気には強すぎる感情豊かな空気がある。
楽しい空気や嬉しい空気だけでなく、悲しかったり辛かったり苦しい空気だけど。
それでも、瞳ちゃんは“泣いている顔が幸せな顔の場合”もある。
そう言っていた・・・。
いつも優しい顔で穏やかな空気の“ひろみ”や“真坂部長”ではなく、“死んだ空気”の中でも“泣きそうな空気”が・・・もしかしたら“オーシャン”の幸せな空気なのかもしれない。
死んでいながらも、涙を流そうとするくらいに強い感情なのだから・・・。
それをあたしは勉強した。
“女友達”の瞳ちゃんの前で人生で初めてあんなに泣いて、あたしは勉強した。
あたしは泣きたくなかった。
強くなりたかった。
苦境の時こそ明るく楽しく笑っていないと乗り越えられないと思っていた。
でも、もしかしたら違ったのかもしれない。
それを今回初めて“女友達”はあたしに勉強させてくれた。
泣かない強さより泣いた弱さの方が・・・
ずっとずっと、強くなれる時もある・・・。
缶ビールの蓋を開けたあたしをオーシャンが驚いた顔で見ている。
あたしが泣いているからだと思う・・・。
あたしは泣きながらもオーシャンを見詰める。
「生き返って、“オーシャン”。
あたしは“オーシャン”に会いたい。
生きてる“オーシャン”に会いたい。」
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