【完】この夏、人生で初めて海にいく(カットページ掲載済2023.5.30)

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死んでしまいそうな空気の中、オーシャンがゆっくりでもなくバッと勢いよく顔を上げあたしを見た。
そして、あたしを見てからホッとした顔で困った顔で笑っている。



「どうしたの～？」



あたしの部屋の前に立っているオーシャンの所まで歩いていくと、オーシャンが手に持ったスマホをあたしに見せてきた。



「連絡先、聞くのを忘れてたよ。」



「そうだね～、交換したことないね？」



そのためだけにここで待っていた空気を出していて、あたしは笑いながらスマホを出してオーシャンと連絡先を交換した。



人生で初めて、オーシャンと連絡先を交換した。



嬉しくて嬉しくて・・・
登録が出来たスマホの画面を見詰めてからオーシャンに視線を戻した。



そしたら・・・
オーシャンは・・・きっと、あたしよりも嬉しそうな空気を出してスマホを見下ろし笑っている・・・。



「“女友達”は凄いね、連絡先も交換出来るんだね。」



「そうだよね～！！
連絡先を交換した“女友達”の家に少し上がってく？
夜でも暑いから汗かいてるでしょ？」



オデコに少し汗を浮かべながら笑っているオーシャンにそう聞くと、オーシャンは少し考えた様子になった。



「月曜日のこんな時間に女友達の部屋に上がってもおかしくないかな？」



月曜日のこんな時間まで連絡先を聞くだけのために“女友達”の家の前で待っていたオーシャン。
そんなオーシャンがそこは真面目な顔で聞いてくることに笑ってしまった。