【完】この夏、人生で初めて海にいく(カットページ掲載済2023.5.30)

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瞳ちゃんがクスクスと笑いながらそんなことを言った。



「真坂部長、珈琲店には来店したことがないですけど、営業部へのデリバリーで何度かお見掛けしていて。
私が産休に入るまでの短い期間でしたけど、いつ見ても全く同じ表情や声、動作や仕草をしていたのでよく覚えています。」



「いつも優しくて穏やかな感じだよね・・・。」



「そうですね、1ミリも変化がないくらい、いつも優しい表情をしていましたね。」



「“ひろみ”と“真坂部長”はそんな感じだった。
“オーシャン”は表情豊かなんだけどね。」



「それに、そんなに偶然3回も会えるなんて私だったら運命を感じてしまいますね。」



瞳ちゃんがキラキラとした目で、可愛い空気を出してそう言った。



「お兄さんのお友達として出会って、その後はゲイバー・・・。
そして、今回は吸収合併した会社にいた社員としてうちの会社に入社をしてきたなんて、運命みたいですよね？」



「そうだよね～。」



「それに、優秀な方なようなので採用されたと思いますけど・・・。
剛士君からも聞きましたけど、あの会社の本社の社員は余程優秀ではなければうちの会社に採用しなかったらしいので、面接に通ってよかったですよね？」



瞳ちゃんがそんなことを言いながら楽しそうに笑っている。



「きっとそんな運命みたいなこと、4回目は起きないかもしれませんし・・・。
もう少し頑張って欲しいなと・・・“女友達”の私はそう思ってしまいます。」