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そして、あたしは藤岡ホールディングスに入社をした。
男の姿の“アヤメ”と一緒に。
人生で初めて、一般企業で働く。
苦境だった・・・。
あたしには苦境だった・・・。
こんなに大きな会社なのに、オーシャン以上のイケメンなんていなかったから・・・。
誰もあたしのことを“女”としては扱ってくれなかった。
スーツの下はスカートなのに、誰も“女”としては扱ってくれなかった。
高校生だったオーシャンは、中学生のあたしを“女の子”として扱ってくれたイケメンだった。
ゲイバーでは“男”としてだけど、従業員のみんなもお客さんもあたしを“女”として扱ってくれた。
幸せだった・・・。
あたしは、幸せだった・・・。
心の中の“女”は幸せだった・・・。
それに、オーシャンから“木葉”と錯覚されていたのかもしれないけど、それでもあの甘い幸せな空気は幸せだった。
そんな幸せだったゲイバーでの空気を思い出しながら、数日前からハマッているフレンチトーストを食堂で食べる。
そしたら・・・
「明・・・!!明って女だったのか!?」
仲良くしてくれている他部署の数人が、驚きながらあたしに近付いてきた。
それに明るく楽しく笑った。
「そうだよ~?
スカート履いてるでしょ~?」
「・・・そうだよな、それはそうなんだけど!!
性別としても、女なんだよな!?」
「当たり前じゃ~ん!!
だからスカート履いてるの!!」
「そうだよな・・・そうだよな!!!」
みんなが困惑しながらも、それでも納得しようと頑張っている空気で・・・何度も頷きながらあたしを見ている。
苦境だった・・・。
あたしには人生で初めての、こんなに厳しい苦境だった・・・。
だからこそ、いつもより明るく楽しく笑って過ごしていた。
1度、“女”としての幸せな空気を知ってしまったから・・・。
その後のこの事態は、あたしにとって人生で初めての厳しい苦境だった。
でも・・・
それでも・・・
“アヤメ”が幸せな空気になるまであたしは“アヤメ”を守る。
それがあたしの順位の1番。
“アヤメ”が導いてくれたから。
いつも、何でも、何処へでも・・・。
あのゲイバーへも・・・。
そして、“ひろみ”へも・・・。
“アヤメ”はあたしのきょうだいであり、“友達”でもあり、あたしの“空気”。
いつも少し先をいくあたしの“空気”。
“アヤメ”が幸せな空気になるまで、あたしは“男”の空気を纏い守り続ける。
そして、いつか・・・いつか・・・“女”になれるその時が来たら・・・。
あたしは“女の子”になりたい。
あたしはやっぱり“女の子”になりたい。
あたしは“男”でも“ゲイ”でもなく・・・
本当は、本当は、やっぱり・・・
“可愛い女の子”になりたかった・・・。
“可愛い女の子”になって、愛してもらって、守ってもらえる・・・
そんな“可愛い女の子”になりたかった・・・。
男の姿の“アヤメ”と一緒に。
人生で初めて、一般企業で働く。
苦境だった・・・。
あたしには苦境だった・・・。
こんなに大きな会社なのに、オーシャン以上のイケメンなんていなかったから・・・。
誰もあたしのことを“女”としては扱ってくれなかった。
スーツの下はスカートなのに、誰も“女”としては扱ってくれなかった。
高校生だったオーシャンは、中学生のあたしを“女の子”として扱ってくれたイケメンだった。
ゲイバーでは“男”としてだけど、従業員のみんなもお客さんもあたしを“女”として扱ってくれた。
幸せだった・・・。
あたしは、幸せだった・・・。
心の中の“女”は幸せだった・・・。
それに、オーシャンから“木葉”と錯覚されていたのかもしれないけど、それでもあの甘い幸せな空気は幸せだった。
そんな幸せだったゲイバーでの空気を思い出しながら、数日前からハマッているフレンチトーストを食堂で食べる。
そしたら・・・
「明・・・!!明って女だったのか!?」
仲良くしてくれている他部署の数人が、驚きながらあたしに近付いてきた。
それに明るく楽しく笑った。
「そうだよ~?
スカート履いてるでしょ~?」
「・・・そうだよな、それはそうなんだけど!!
性別としても、女なんだよな!?」
「当たり前じゃ~ん!!
だからスカート履いてるの!!」
「そうだよな・・・そうだよな!!!」
みんなが困惑しながらも、それでも納得しようと頑張っている空気で・・・何度も頷きながらあたしを見ている。
苦境だった・・・。
あたしには人生で初めての、こんなに厳しい苦境だった・・・。
だからこそ、いつもより明るく楽しく笑って過ごしていた。
1度、“女”としての幸せな空気を知ってしまったから・・・。
その後のこの事態は、あたしにとって人生で初めての厳しい苦境だった。
でも・・・
それでも・・・
“アヤメ”が幸せな空気になるまであたしは“アヤメ”を守る。
それがあたしの順位の1番。
“アヤメ”が導いてくれたから。
いつも、何でも、何処へでも・・・。
あのゲイバーへも・・・。
そして、“ひろみ”へも・・・。
“アヤメ”はあたしのきょうだいであり、“友達”でもあり、あたしの“空気”。
いつも少し先をいくあたしの“空気”。
“アヤメ”が幸せな空気になるまで、あたしは“男”の空気を纏い守り続ける。
そして、いつか・・・いつか・・・“女”になれるその時が来たら・・・。
あたしは“女の子”になりたい。
あたしはやっぱり“女の子”になりたい。
あたしは“男”でも“ゲイ”でもなく・・・
本当は、本当は、やっぱり・・・
“可愛い女の子”になりたかった・・・。
“可愛い女の子”になって、愛してもらって、守ってもらえる・・・
そんな“可愛い女の子”になりたかった・・・。
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