【完】この夏、人生で初めて海にいく(カットページ掲載済2023.5.30)

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そしたら、お姉ちゃんの周りにいた従業員達のやけに熱かった空気がパッと消えた。
それは、オーシャンの空気も・・・。



少し残念に思いながらもあたしは笑った。



「お姉ちゃん流石だよ～！！！
あたし、すっっっごい美しい“ゲイ”になっちゃった～！！！」



あたしが明るく楽しく笑うと、お店にいたみんなが同じ空気を出してくれた。



「明凄い似合ってるよー！！！」



「可愛いし綺麗！！！！」



「こんなに可愛くて綺麗な“ゲイ”見たことない！！！」



「うちの店の看板になれる“ゲイ”だよー！！」



女の子の格好をしている“ゲイ”はそこまで人気がないので、実際は看板にはなれないけどそう言ってくれた。



それにも嬉しくなって笑っていると、そんなあたしを見てオーシャンも優しい顔で笑ってくれていた。



そのオーシャンの隣にはお姉ちゃんも。
お姉ちゃんも嬉しそうな顔で笑ってくれている。




そんな明るくて楽しい空気の中、店の扉が開いて2人の男の人が入ってきた。
高級そうなスーツを着ている男の人と、半袖の少しピチッとしたTシャツにハーフパンツを履いている今時の若い男の子だった。




その2人の空気を見て・・・このスーツの男の人がお金で男の子を“買った”のだと分かった。
そういう人達もたまにお店に来るのでこの空気は知っていた。