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「あたしの好きな人、愛して愛して仕方ない顔をしてるんだよね~!!
どこをどう見ても、やっぱりそういう顔と空気をしてる!!」
“アヤメ”がアフターをしていたお店の近くまで迎えに行き、“アヤメ”に話を聞いてもらう。
そしたら、“アヤメ”が珍しく結構大きめな声で笑った。
「全然笑えないから~!!
人生で初めて外れててほしいと思ってるけど、何回見てもそんな顔をしてるの~!!」
「まだ結婚してないならセーフだろ。
頑張ってみればいいだろ、勉強だよ。」
「“ゲイ”だから結婚しないんじゃない?」
「それならずっとセーフだろ。
いってみろよ。」
「“アヤメ”にそう言われたらいきたくなっちゃう~!!!」
オーシャンとは閉店した後に後片付けをしている時に少し話せるだけだった。
オーシャンからは絶対に話し掛けてこなくて、いつもあたしから。
それでも、話し掛けて大丈夫な空気だったし、あたしから話し掛けるとオーシャンは凄い嬉しそうだった。
“アヤメ”はいつも先に空気を作ってくれる。
見た目はお姉ちゃんにソックリの絶世の美女だけど、中身は雷によく似ていた。
でも、雷のような強すぎる雷のようなビリビリする空気ではなくて、“強いけど優しい”空気。
“男”なのに“女”で。
“女”なのに“男”で。
そんなよく分からない“何か”だけど、心の中には強い“男”がいる。
でも、生まれた時からあの男から覆われ続けた空気が今も“アヤメ”を覆っているから。
それはあまりにも固すぎる空気で、消えていくことはまだない・・・。
隣に歩く美しい“アヤメ”を見る。
いつか、あたしの大切なきょうだいが・・・
あたしの大切な友達が・・・
“男”になって幸せな空気に包まれる日まで・・・
あたしはこの絶世の美女である“男の子”を守る空気になる。
死なせない・・・。
そんな悲しいことにはさせない・・・。
かぞくみんなが悲しむから・・・。
あんな複雑な環境でも強く明るく楽しく、みんなで生きてきた。
そんなあたしの大好きなかぞくが悲しむから
それに、“アヤメ”が死んでしまったらあたしはもう二度と心から明るくなれない・・・。
お姉ちゃんの言うとおりあたしがかぞくの“明かり”なのだとしたら、あたしのかぞくに“明かり”が灯ることはなくなる。
あたしのイヤなこの男みたいな顔を、“アヤメ”は絶世の美少女の空気の中に入れてくれた。
それまでのどんなに可愛い女の子達よりも美しく可愛い空気で・・・。
救われていた。
あたしはそれで救われていた。
ずっとお姉ちゃんみたいな可愛い美少女になりたかったから。
“アヤメ”がずっとあたしの傍であたしの“空気”になってくれていたから。
あたしはその“空気”の中で、心の中の“女の子”を続けられた。
「“アヤメ”は良い奴だよ!!!」
「明こそ良い奴だろ。」
あたしの大切な“友達”。
あたしの大好きな“友達”。
いつもあたしの少し先をいく、あたしの“空気”。
どこをどう見ても、やっぱりそういう顔と空気をしてる!!」
“アヤメ”がアフターをしていたお店の近くまで迎えに行き、“アヤメ”に話を聞いてもらう。
そしたら、“アヤメ”が珍しく結構大きめな声で笑った。
「全然笑えないから~!!
人生で初めて外れててほしいと思ってるけど、何回見てもそんな顔をしてるの~!!」
「まだ結婚してないならセーフだろ。
頑張ってみればいいだろ、勉強だよ。」
「“ゲイ”だから結婚しないんじゃない?」
「それならずっとセーフだろ。
いってみろよ。」
「“アヤメ”にそう言われたらいきたくなっちゃう~!!!」
オーシャンとは閉店した後に後片付けをしている時に少し話せるだけだった。
オーシャンからは絶対に話し掛けてこなくて、いつもあたしから。
それでも、話し掛けて大丈夫な空気だったし、あたしから話し掛けるとオーシャンは凄い嬉しそうだった。
“アヤメ”はいつも先に空気を作ってくれる。
見た目はお姉ちゃんにソックリの絶世の美女だけど、中身は雷によく似ていた。
でも、雷のような強すぎる雷のようなビリビリする空気ではなくて、“強いけど優しい”空気。
“男”なのに“女”で。
“女”なのに“男”で。
そんなよく分からない“何か”だけど、心の中には強い“男”がいる。
でも、生まれた時からあの男から覆われ続けた空気が今も“アヤメ”を覆っているから。
それはあまりにも固すぎる空気で、消えていくことはまだない・・・。
隣に歩く美しい“アヤメ”を見る。
いつか、あたしの大切なきょうだいが・・・
あたしの大切な友達が・・・
“男”になって幸せな空気に包まれる日まで・・・
あたしはこの絶世の美女である“男の子”を守る空気になる。
死なせない・・・。
そんな悲しいことにはさせない・・・。
かぞくみんなが悲しむから・・・。
あんな複雑な環境でも強く明るく楽しく、みんなで生きてきた。
そんなあたしの大好きなかぞくが悲しむから
それに、“アヤメ”が死んでしまったらあたしはもう二度と心から明るくなれない・・・。
お姉ちゃんの言うとおりあたしがかぞくの“明かり”なのだとしたら、あたしのかぞくに“明かり”が灯ることはなくなる。
あたしのイヤなこの男みたいな顔を、“アヤメ”は絶世の美少女の空気の中に入れてくれた。
それまでのどんなに可愛い女の子達よりも美しく可愛い空気で・・・。
救われていた。
あたしはそれで救われていた。
ずっとお姉ちゃんみたいな可愛い美少女になりたかったから。
“アヤメ”がずっとあたしの傍であたしの“空気”になってくれていたから。
あたしはその“空気”の中で、心の中の“女の子”を続けられた。
「“アヤメ”は良い奴だよ!!!」
「明こそ良い奴だろ。」
あたしの大切な“友達”。
あたしの大好きな“友達”。
いつもあたしの少し先をいく、あたしの“空気”。
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