【完】この夏、人生で初めて海にいく(カットページ掲載済2023.5.30)

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そんなある日・・・



いつものようにドレスを着てお店に行ったら、いた。



筋肉隆々なのに可愛い系の顔をしたオーシャンが・・・。



それに驚きながらも、会えた嬉しさの方が勝る。



「オーシャン！！！？？」



筋肉隆々でピチピチになっているTシャツ、それにジーンズを履いたオーシャンにあたしは叫ぶように名前を呼んだ。



オーシャンはゆっくりとあたしに視線を移し、凄い驚いた顔をした。
女であるあたしがゲイバーでドレスを着ていたら、それは驚く。



「明ちゃん！？久しぶりだね！！
いつぶりだろう！？」



オーシャンの隣に男の人もいるのに、オーシャンが驚きすぎているのか大きな声で言った。



「オーシャンが高校卒業してから会ってないし、4年以上じゃない？」



「4年以上も会ってないんだ！！！
・・・あ、俺の高校の時の同級生のきょうだいなんですよ！！！」



オーシャンが大きな声で隣の男の人に言うと、男の人があたしをチラッと見て・・・明らかに不満気な空気を出した。



それには笑いながらも、明るく楽しく言った。



「今日はどうしてこの店に～？」



そしたらオーシャンがまた大きな声で・・・



「俺、今日からここで手伝いさせてもらうんだよね！！！」



「手伝いってなにするの！？」



「うちの会社は副業禁止だから、給料は貰わずに手伝い！！！」



「え～！？なんの手伝い～？」



「従業員として手伝いするんだよ！！！」



オーシャンが嬉しそうに笑いながらテンション高くそう言って・・・



「俺、“ゲイ”だからね！！！！」



と、言った・・・。
中学3年間大好きで大好きだったオーシャンが・・・。
高校を卒業したお兄ちゃんがオーシャンと会わなくなったのであたしも会えなかったけど、それでもオーシャンのことは忘れたことがなかった。



あたしのことを女の子として扱ってくれた人だったから。
たった1人の、男の人だったから・・・。



そんなオーシャンは、“ゲイ”だったらしい。