【完】この夏、人生で初めて海にいく(カットページ掲載済2023.5.30)

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2人の口から激しい空気が何度も出てくる。
でも、大興奮の熱い熱い張り詰めていた空気は消えていて・・・。



こんなに空気を感じないのは初めてなくらい、あたしは何も感じられないくらいで・・・。



それくらい、脱力していた・・・。



あたしの“女”の証明である中から、オーシャンの太い指が2本ゆっくりと抜かれ・・・
あたしの口からもオーシャンのがゆっくりと抜かれ・・・



「ごめん、ティッシュ・・・」



オーシャンが少し慌てた様子でティッシュの箱を取るために背中を向け、またあたしの方を向いた・・・。



そして、驚いた顔をしている。



どうしたのかと思いあたしも上半身を起こすと・・・



ポタ───────ッ



と、あたしの太ももの付け根に何かが垂れた・・・。



それを見下ろした時、また何かが垂れて・・・



また鼻血が出てしまったと分かった。



あたしの太ももの付け根に垂れた鼻血が、白いシーツにまで垂れてしまって汚してしまった・・・。



鼻を摘まみながらオーシャンを見ると、オーシャンは呆然とした様子で近付いてきて、あたしの太ももに大きな大きな片手をのせ・・・



あたしの太ももを少し強引にずらした。



そして、苦しそうな顔で、泣きそうな顔で・・・
でも、嬉しそうな顔で少しだけ笑い・・・




「最後までしたみたいだね・・・。
最後までしてないのに、したみたいになったね・・・。」



「空気はそうだったよ？
オーシャンがそんな空気を出すから、あたしもそう思っちゃった。」



「じゃあ、最後までしたんだね・・・俺と明ちゃんは・・・。
“女友達”は凄いね・・・。
そんなことまで出来るんだね・・・。」




オーシャンがそう言って悲しそうに、でも嬉しそうな顔で・・・幸せそうな顔で笑うのであたしは頷いた。




死にそうになっていたから・・・。




オーシャンは、死にそうな空気になっていたから・・・。