【完】この夏、人生で初めて海にいく(カットページ掲載済2023.5.30)

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「“友達”と喋ると時間を忘れるね。
久しぶりに友達と話したよ。」



「“取締役”と会ってないんでしょ？
連絡も取ってないって聞いた・・・。」



すっかり空は暗くなってきて、ホテルの屋外プールはナイトプールへと変わっていく。



「連絡も取ってないね。
高校を卒業してから1度も。」



「まだ連絡取ってないんだ。
あんなに仲良かったし、それに・・・」



言葉を切った後、空気を動かした。



「オーシャンは7年間も可愛い女の子の彼女がいたんでしょ？」



「そうだね・・・。」



「“取締役”に連絡してみたら？
あたしから“取締役”に言う？」



「それはやめてほしい。
木葉とは会わないし連絡もしない。」



オーシャンが怖い空気を出した。
今は真坂部長ではなくオーシャンだから表情も空気もよく動く。
それだけあたしは“友達”になれているのだと分かった。



そして、オーシャンの初めて出した怖い空気に悲しくなった。
それはただ怖い空気になったのが悲しいわけではなくて。
“あたしのお兄ちゃんと会わないし連絡もしない”
その話の時に怖い空気になったことに、あたしは悲しくなった。