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オーシャンが嬉しそうな空気になりあたしを見た。
それには嬉しくなった。
だって、オーシャンが入社をしてから目も合わなかった。
オーシャンと会うのは久しぶりで。
オーシャンが4月1日に入社をした時には、約1年3ヶ月ぶりで。
中学1年生の時からたまには会えていたのに、会えなくなってしまっていた。
オーシャンは昔から穏やかで優しくて、たった1人だけ・・・たった1人だけ、あたしを女の子として扱ってくれる人だった。
そんなオーシャンに恋をしてしまうのは当たり前だった。
でも、あたしは男みたいな女だったから。
女だったのに男みたいだったから。
オーシャンのことは大好きだったけど、その時は順位をつけていた。
だって、あたしの腹違いのきょうだいである“友達”が、目を離した瞬間に死んでしまいそうな空気だったから。
そんなことには絶対にさせたくなかった。
凄い可愛い顔をしている子で・・・。
あたしのなりたい顔の子で・・・。
あたしのお姉ちゃんによく似た、羨ましいくらい可愛い顔で・・・。
その顔を見ているだけであたしは幸せだった。
そんな可愛い顔の腹違いのきょうだい、同じ歳の腹違いのきょうだい、“アヤメ”の顔を見ているだけで幸せだった。
可愛い顔の子が大好きで、その子と同じ空気の中にいると、あたしも可愛い顔なんじゃないかと錯覚出来たから。
鏡を見ない限りはそう思えたから。
本当は男みたいな顔のあたしが心まで男にならなかったのは、“アヤメ”のお陰。
“アヤメ”がずっとあたしの傍にいてくれたから。
あたしと同じ空気の中にいてくれたから。
“アヤメ”はきょうだいである以上に友達だった。
“アヤメ”と出会った7歳の日、その瞬間から“アヤメ”がその空気を出したから。
だから、あたしも空気を読んで“アヤメ”とはきょうだいではなく友達になった。
そんな可愛い“アヤメ”が死んでしまわないように守るため、あたしは男でいた。
それが1番の順位。
“アヤメ”は可愛すぎるために、命を狙われていたから。
そんな“アヤメ”を守るためにあたしは男の空気を纏った。
だから、オーシャンがどんなに大好きでもオーシャンは2番目だった。
それに男みたいで女のあたしが・・・
女なのに男みたいなあたしが・・・
“アヤメ”のことがなくてもオーシャンに行くのは無理だった。
それには嬉しくなった。
だって、オーシャンが入社をしてから目も合わなかった。
オーシャンと会うのは久しぶりで。
オーシャンが4月1日に入社をした時には、約1年3ヶ月ぶりで。
中学1年生の時からたまには会えていたのに、会えなくなってしまっていた。
オーシャンは昔から穏やかで優しくて、たった1人だけ・・・たった1人だけ、あたしを女の子として扱ってくれる人だった。
そんなオーシャンに恋をしてしまうのは当たり前だった。
でも、あたしは男みたいな女だったから。
女だったのに男みたいだったから。
オーシャンのことは大好きだったけど、その時は順位をつけていた。
だって、あたしの腹違いのきょうだいである“友達”が、目を離した瞬間に死んでしまいそうな空気だったから。
そんなことには絶対にさせたくなかった。
凄い可愛い顔をしている子で・・・。
あたしのなりたい顔の子で・・・。
あたしのお姉ちゃんによく似た、羨ましいくらい可愛い顔で・・・。
その顔を見ているだけであたしは幸せだった。
そんな可愛い顔の腹違いのきょうだい、同じ歳の腹違いのきょうだい、“アヤメ”の顔を見ているだけで幸せだった。
可愛い顔の子が大好きで、その子と同じ空気の中にいると、あたしも可愛い顔なんじゃないかと錯覚出来たから。
鏡を見ない限りはそう思えたから。
本当は男みたいな顔のあたしが心まで男にならなかったのは、“アヤメ”のお陰。
“アヤメ”がずっとあたしの傍にいてくれたから。
あたしと同じ空気の中にいてくれたから。
“アヤメ”はきょうだいである以上に友達だった。
“アヤメ”と出会った7歳の日、その瞬間から“アヤメ”がその空気を出したから。
だから、あたしも空気を読んで“アヤメ”とはきょうだいではなく友達になった。
そんな可愛い“アヤメ”が死んでしまわないように守るため、あたしは男でいた。
それが1番の順位。
“アヤメ”は可愛すぎるために、命を狙われていたから。
そんな“アヤメ”を守るためにあたしは男の空気を纏った。
だから、オーシャンがどんなに大好きでもオーシャンは2番目だった。
それに男みたいで女のあたしが・・・
女なのに男みたいなあたしが・・・
“アヤメ”のことがなくてもオーシャンに行くのは無理だった。
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