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凛太郎さんは・・・女の人を見る目がないのか、優しすぎるからそういう女の人から狙われるのか・・・。
最初に会った女の人は・・・
“お金持ち”と言った言葉だけが不快に感じるくらい、重かった。
不快に思うくらいの、重さだった。
そして、信じられないことに・・・
名前は・・・恐らく本名ではなかった。
名前を言った時、耳が痛くなったから。
アヤメさんが源氏名を言った時は、そこに泣きたくなるくらいの感情の重さを感じた。
あの女の人が言った自分の名前は、ただの嘘の名前なのだと思った。
あれから凛太郎さんの彼女は・・・酷かった。
小太郎君のお兄さんだし、凛太郎さんにはそんな酷い女の人とは付き合ってもらいたくなくて・・・。
会った女の人のことを、勝手に見させて貰っている。
私が女の人をぼやけた世界の中見詰めていると、女の人が面倒臭そうに名前を答えてくれた。
そして・・・
「弟はこんなにちゃんとした婚約者がいるのに、なんでアンタはそんなに女見る目ないの?」
そう、言った・・・。
女の人が、そう言って・・・。
「なに?兄貴の彼女・・・?
これは・・・俺には無理だな・・・。」
「彼女じゃありませんので。」
「・・・俺が、今頑張ってて・・・。」
「頑張られたくないから。
それって、私が良い女じゃないってことだからね?分かってるの?」
「そうか・・・。」
「今日も無理矢理連れてきて。
クリスマスツリーは・・・確かに綺麗だけど、別に家にまで連れてこられても。」
「そうだよね、ごめん・・・。」
そんな女の人と凛太郎さんのやり取りに・・・
言葉と、心のやり取りに・・・
私は、笑ってしまった・・・。
「真知子・・・?」
小太郎君の驚いている声が聞こえる。
それを聞きながら私は眼鏡をかけた。
不安そうな顔で私を見ている凛太郎さんを、私は見上げる。
「素敵な女性ですね・・・。」
「やっぱり!!!」
ハッキリする世界の中、不機嫌そうな顔をしている女の人に話し掛ける。
人と接することが苦手だけど、“少しの度胸”と“少しの女らしさ”で話し掛ける。
「よかったら、一緒にお食事しませんか?」
最初に会った女の人は・・・
“お金持ち”と言った言葉だけが不快に感じるくらい、重かった。
不快に思うくらいの、重さだった。
そして、信じられないことに・・・
名前は・・・恐らく本名ではなかった。
名前を言った時、耳が痛くなったから。
アヤメさんが源氏名を言った時は、そこに泣きたくなるくらいの感情の重さを感じた。
あの女の人が言った自分の名前は、ただの嘘の名前なのだと思った。
あれから凛太郎さんの彼女は・・・酷かった。
小太郎君のお兄さんだし、凛太郎さんにはそんな酷い女の人とは付き合ってもらいたくなくて・・・。
会った女の人のことを、勝手に見させて貰っている。
私が女の人をぼやけた世界の中見詰めていると、女の人が面倒臭そうに名前を答えてくれた。
そして・・・
「弟はこんなにちゃんとした婚約者がいるのに、なんでアンタはそんなに女見る目ないの?」
そう、言った・・・。
女の人が、そう言って・・・。
「なに?兄貴の彼女・・・?
これは・・・俺には無理だな・・・。」
「彼女じゃありませんので。」
「・・・俺が、今頑張ってて・・・。」
「頑張られたくないから。
それって、私が良い女じゃないってことだからね?分かってるの?」
「そうか・・・。」
「今日も無理矢理連れてきて。
クリスマスツリーは・・・確かに綺麗だけど、別に家にまで連れてこられても。」
「そうだよね、ごめん・・・。」
そんな女の人と凛太郎さんのやり取りに・・・
言葉と、心のやり取りに・・・
私は、笑ってしまった・・・。
「真知子・・・?」
小太郎君の驚いている声が聞こえる。
それを聞きながら私は眼鏡をかけた。
不安そうな顔で私を見ている凛太郎さんを、私は見上げる。
「素敵な女性ですね・・・。」
「やっぱり!!!」
ハッキリする世界の中、不機嫌そうな顔をしている女の人に話し掛ける。
人と接することが苦手だけど、“少しの度胸”と“少しの女らしさ”で話し掛ける。
「よかったら、一緒にお食事しませんか?」
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