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“少しの度胸”と“少しの女らしさ”・・・
私に流れた新しい血で、やっと小太郎君に伝えることが出来た・・・。



私は、病気だった・・・。
本当に、病気だった・・・。
だって、あんなに苦しくて、切なくて、今にも死んでしまいそうだったから・・・。



小太郎君がバカにされないように、仕事を頑張って・・・
小太郎君と会える時間もなくて・・・
私は・・・仕事以外では真っ直ぐに立てなくなってしまった・・・。
歩くのも、一苦労だった・・・。



心が、苦しくて・・・切なくて・・・



今にも死んでしまいそうで、私は真っ直ぐにも立てなくなってしまった。
歩けなくなってしまった。



それからまた会えるようになっても、小太郎君に私の想いを伝えることが出来なくて・・・



苦しみも、切なさも増すばかりで・・・。




そのうち、小太郎君が凛太郎さんと私をくっつけようとしてきた。
よく聞くと、私が凛太郎さんを好きだと勘違いしていて。




小太郎が苦しみながらも私のことを応援してくれていて、深く深く、応援してくれていて、それを言われると何も言えなくなってしまっていた。




私は、病気だった・・・。





私は、病気だった・・・。





鼻先を小太郎君の鼻先にくっつけ、瞳を揺らしながら驚いている小太郎君を見詰める・・・。





“少しの度胸”と“少しの女らしさ”で・・・







私は・・・







私は・・・







少し、鼻先をずらし・・・







ゆっくり、ゆっくりと・・・







小太郎君の唇に私の唇を、重ねた・・・。
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