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そしたら、小太郎君が・・・抱き締めてきた・・・。



強く、強く・・・痛いくらいに・・・。




「嫌だ・・・。
これだけは、欲しい・・・。
他には何もいらない。
あとは全部兄貴に渡す。」



「小太郎君・・・」



「これが終わったら、俺も一緒に行ってやるから。
兄貴の所に一緒に行って、真知子が言えないなら俺が代わりに言ってやるから。」



そんな小太郎君の言葉が、私の心と重なる・・・。
それはあまりに、苦しい・・・。
切ない、痛い・・・痛い・・・。
そして、好きで・・・好きで・・・大好きで・・・愛おしくて・・・狂おしいほど・・・



狂おしいほど・・・



愛している・・・。



私を、狂おしいほどに、愛している・・・。



そんな小太郎君の心が・・・



私の心に、重なる・・・。



小太郎君と同じ涙が、私の目から流れる。



私は、深呼吸をする。



きっと、流れている・・・。



今日の早朝に、アヤメさんから輸血してもらった“少しの度胸”。
そして、明さんから輸血してもらった“少しの女らしさ”。



その2人の血が、きっと私に流れ始めた・・・。



だって、本当に輸血されたのだと分かったから。




私には、分かるのだから・・・。
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