180 / 226
10
10-7
しおりを挟む
ガッツのある女だった。
差し出す名刺を何とか渡そうと、一生懸命になっていた。
名刺くらい受け取ってやればいいのに、何故か人事部の女は受け取らない。
受け取ったら・・・流されてしまうのが本能的に分かっているからかもしれない。
うちの会社は、求人広告からしか応募者を募っていない。
デカイ会社だから、それだけでも良い人材は集まってくるから。
人材紹介だと1人つき採用費用が高すぎる。
それでも、なかなか断れないのは・・・
それだけガッツのある女だった。
良い女だと思った。
良い営業の女だと思った。
うちの会社にはいない、ガッツのある良い女の営業だと思った。
うちの会社はデカイから。
待っていても客は寄ってくる。
飛び込みをしても会社名を告げればある程度門は開かれる。
だからか、ここまでガッツのある営業はそこまでいなかった。
「また来ますね!!」
名刺を渡せなかったままの女が、それでも元気過ぎる声でそう言って・・・
そう言って・・・
振り返った・・・。
振り返った・・・。
あの、女だった・・・。
あの女だった・・・。
見違えるような姿になった、中学の時の同級生で・・・頭に鳥の巣をのせている女だった・・・。
その女が、俺に小さくお辞儀をしながら急いで階段を降りていった。
この巨大ビルにはまだ沢山企業が入っている。
1番上の企業までエレベーターで上がり、そこから階段で1階ずつ降りて飛び込みしていくんだとすぐに分かった。
頑張っているらしい。
あの女は、頑張っているらしい。
「あの営業の子、会社名覚えてるかな?」
すぐに人事部の女に聞くと、首を傾げた。
それに、苦笑いをする。
うちの会社は・・・悪くはない。
悪くはないけど・・・平和だった。
きっと、“俺”では発狂するくらいに、平和だった・・・。
差し出す名刺を何とか渡そうと、一生懸命になっていた。
名刺くらい受け取ってやればいいのに、何故か人事部の女は受け取らない。
受け取ったら・・・流されてしまうのが本能的に分かっているからかもしれない。
うちの会社は、求人広告からしか応募者を募っていない。
デカイ会社だから、それだけでも良い人材は集まってくるから。
人材紹介だと1人つき採用費用が高すぎる。
それでも、なかなか断れないのは・・・
それだけガッツのある女だった。
良い女だと思った。
良い営業の女だと思った。
うちの会社にはいない、ガッツのある良い女の営業だと思った。
うちの会社はデカイから。
待っていても客は寄ってくる。
飛び込みをしても会社名を告げればある程度門は開かれる。
だからか、ここまでガッツのある営業はそこまでいなかった。
「また来ますね!!」
名刺を渡せなかったままの女が、それでも元気過ぎる声でそう言って・・・
そう言って・・・
振り返った・・・。
振り返った・・・。
あの、女だった・・・。
あの女だった・・・。
見違えるような姿になった、中学の時の同級生で・・・頭に鳥の巣をのせている女だった・・・。
その女が、俺に小さくお辞儀をしながら急いで階段を降りていった。
この巨大ビルにはまだ沢山企業が入っている。
1番上の企業までエレベーターで上がり、そこから階段で1階ずつ降りて飛び込みしていくんだとすぐに分かった。
頑張っているらしい。
あの女は、頑張っているらしい。
「あの営業の子、会社名覚えてるかな?」
すぐに人事部の女に聞くと、首を傾げた。
それに、苦笑いをする。
うちの会社は・・・悪くはない。
悪くはないけど・・・平和だった。
きっと、“俺”では発狂するくらいに、平和だった・・・。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
隠れドS上司をうっかり襲ったら、独占愛で縛られました
加地アヤメ
恋愛
商品企画部で働く三十歳の春陽は、周囲の怒涛の結婚ラッシュに財布と心を痛める日々。結婚相手どころか何年も恋人すらいない自分は、このまま一生独り身かも――と盛大に凹んでいたある日、酔った勢いでクールな上司・千木良を押し倒してしまった!? 幸か不幸か何も覚えていない春陽に、全てなかったことにしてくれた千木良。だけど、不意打ちのように甘やかしてくる彼の思わせぶりな言動に、どうしようもなく心と体が疼いてしまい……。「どうやら私は、かなり独占欲が強い、嫉妬深い男のようだよ」クールな隠れドS上司をうっかりその気にさせてしまったアラサー女子の、甘すぎる受難!

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる