【完】幼なじみの小太郎君が、今日も私の眼鏡を外す

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「申し訳ないけど、全然分からないな・・・。」



藤岡副社長が、部屋のどこかに視線を移す。
その先をチラッと見ると・・・部屋の扉を開けてくれた男の人がいる。



2人で目を見合わせていた後、また藤岡副社長が私を見た。



「どんなことを面接で見ているのかな？」



「・・・私は、強度近視ですので・・・見えていません、ごめんなさい・・・。」



「その眼鏡は？」



「これは・・・眼鏡です・・・。」



藤岡副社長が少し黙った後、小さく笑いだした。



「・・・御社、面白いな～。
社長さんだけじゃなくて柳川さんも面白いしな～。」



それにはどう答えていいか分からず、黙ったまま俯く。
でも、1つだけ聞いておく。



「ご希望の要件は、“新しい感じの人で、人をよく見られる人”と聞いていますが・・・お間違いありませんか？」



「うん、それでお願いしたい。
うちの人事部は悪くない。悪くはないけど、普通だからね。
大きな会社だし能力の高い人材の応募は沢山ある。
だから、優秀な人材も集まる。」