【R18】清掃員加藤望、社長の弱みを握りに来ました!

Bu-cha

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大きく笑っている青さんのその口からは、秘書だった新田さんの名前まで出てきて、そして有村さんのことも当たり前のように出てきた。



「有村さんと新田さんがあのタクシー会社のタクシー運転手だって、知ってたの・・・?」



聞いた私に青さんは何故かめちゃくちゃ満足そうに笑う・・・。



「知ってるも何も、あのタクシー会社に有村さんと新田さんのことを・・・、その2人だけじゃなく増田財閥の秘書だったオッサン達のことを紹介したのって俺だし。
うち、人材紹介会社だからな。
あのタクシー会社がハイクラスタクシーの事業もやるっていうんで人材募集しててさ、増田財閥から捨てられたオッサン達に声掛けたらみんなすぐに拾えたよ。
丁度良いタイミだった!!」



そう言った青さんの目が鋭くなり・・・



「“お兄ちゃん”が俺に拾わせたんだろ、あのオッサン達を。
普通の会社では使えるか微妙なオッサン達だけど、使い方によってはマジで優秀なオッサン達だからな。
秘書だったオッサンのタクシーに乗れた時には欲しい情報を世間話でめちゃくちゃ教えてくれて、どのオッサンの時も降りる時には確かに気分が良くなってる。
でも、有村さんについては別格らしい。」



それには驚くしかない私に、青さんは続ける。



「あのオッサン達のタクシーに乗った良さそうな人材は俺に紹介して貰ってた。
それで、今は増田財閥の会社にそいつらを紹介して採用され始めた所。」



「なんで・・・?」



「なんでって・・・、俺、増田財閥をぶっ壊すし。
譲社長にもそう宣言してるし。
小関の“家”の奴らよりも増田の本家の奴らよりも上に立てる奴が現れた時、今の増田財閥なら迷うことなくそいつを上に立たせる。
・・・元気だけじゃなく譲社長も、恐らくそうする、俺がそうさせる。」



青さんの力強い声に引き寄せられるように起き上がり、青さんのことを見詰めた。



そしたら、見えた。



青さんの向こう側にある窓から星が1つ、輝いているのが。



小さな小さな光りだけど、確かに輝いているのが。



それも視界に入れながら私は言った。



「そんなことにはならない・・・。
そんなことにはさせたくない・・・。」



「じゃあ、お前が頑張らせてみせろよ、一平に。」



「一平さんじゃない、うちにはお嬢様がいる・・・。」



「見た目以外は結構普通な女だったぞ?」



「今はそうかもしれない・・・。
でも、うちのお嬢様は歩ける・・・。」



さっきまであんなに“怖い”と、“嫌だ”と思っていた“加藤望”が立ち上がった。



あの小さな小さな小さな星を・・・、うちのお嬢様のことを見詰めながら立ち上がった。



”うん、亀さんは呆けた演技をしてた。
父さんのことを一人前の秘書にする為に。
それに俺のことも早い段階で1人で動ける秘書にさせる為に。
亀さんがいたらいつまで経っても一人前にはなれないから。
亀さんはそこまで頑張ることが出来る秘書だった。“



さっき電話で聞いたお兄ちゃんの言葉がもう1度私の中に戻ってくる。
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