【R18】清掃員加藤望、社長の弱みを握りに来ました!

Bu-cha

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「お兄ちゃんが?何で・・・・?」



「和希君は謀反を起こしつつあった俺達なんて必要ないと判断したのだと俺は考えている。
・・・・・・考えていた。」



言い直した有村さんの言葉を持っていると、有村さんは困ったように笑った。



「でも、和希君の真意は俺なんかでは分からない。
和希君は、道がない道も歩ける足を持っているだけではなく、そこに道をつくることも出来る力まで持っている子だから。」



「道を・・・つくる・・・?」



「俺達が不要だと思って俺達のことを掃除したのか、それともまた別の思惑があって俺達のことを掃除したのか・・・。」



「別の思惑って?」



「その可能性もあるんじゃないかと思うくらいの恐ろしい秘書なんだよ、和希君は。
目的地に辿り着く為なら何でもする恐ろしいくらいの秘書。」



「一美さんの幸せの為に・・・。」



「仕える“家”の人間が幸せな人生を送れた時、その時が秘書にとっての最高の仕事。
だから分家の“家”の人間は綺麗で正しく生きなければいけない。
自分の“家”に仕えている秘書に最高の仕事をさせる為に。
だから秘書は、仕える“家”の人間が道を踏み外そうとした時は手を引き、先を歩き、正しい道に戻さなければいけない。
分家の“家”と秘書の“家”、どちらか1方だけでは歩けないような道だから、2つの”家”が共に正しく歩き続けなければいけない。」



有村さんの目に光りが灯ったように見える。



凄く強い光りが。



「忘れるな、秘書の“家”に生まれることが出来たことへの幸せを。
こんなにも愛する人と出会えたことへの感謝を。
この先の道がどんな道だとしても、秘書の“家”の人間としての誇りだけは絶対に忘れるな。」



私の心にスッと入り込んだその言葉を言った有村さんは、申し訳なさそうに笑った。



「譲社長から一掃された後に息子から聞いた言葉だよ。
和希君は若い世代の秘書達に昔から何度もそう言っていたらしい。
そんな・・・俺達の代くらいの大人が大昔に、小さな頃に数回か聞いたかな、くらいの教えを和希君が何度も何度も言い続けて、若い世代だけでも道から外れてしまわないようにしてくれていたらしい。」



「そうなんだ・・・。
私はお兄ちゃんからそんな教えを長々と言われたことがないけど、でも・・・、そんなようなことはずっと昔から私は知ってる。」



「そうだろうね、望ちゃんはあの亀さんの孫で、あの加藤の家長の娘で、あの和希君の妹だからね。
自分の息子と孫を完璧な秘書にする為に、呆けた演技までして最後の仕上げをしたくらいの秘書だった亀さんが残した2人の秘書。
亀さんのことだけではなく、その2人の秘書の姿を小さな頃から見てきただろうしね。」









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