321 / 347
21
21-6
しおりを挟む
みんな大人になる。
嫌でも大人にならなければこの社会で”普通“には生きていけない。
高校の時、電車に揺られるオッサン達を見て”俺はあんな風にはならない“と本気で思っていた。
”あんな風に死んだ目で生きる大人には絶対にならない。“
そんなことを思っていた俺が、フッと電車の窓ガラスに映った自分の顔を見て思わず小さく笑ったことがある。
俺も漏れなく死んだ目をしたオッサンになって、電車に揺られていたから。
俺も30歳をとっくに過ぎたオッサンで。
あんなに充実した青春の毎日なんて酒のツマミにしかならないと思っていた。
でも、望といるとあの頃の自分をよく思い出す。
望との思い出は全て、俺が1番楽しくて幸せしかない時間の中にいた物だからかもしれない。
30歳になった望があの頃と同じダッフルコートを着て、信じられないことにあの頃と変わらない可愛い顔で俺の前に現れたからかもしれない。
“俺なら何でも出来る”と、“俺なら何でも叶えられる”と、信じて疑わなかったあの頃の俺。
そんな生意気なクソガキだった俺のことを見上げる望の顔が、昔も今も全然変わらないからかもしれない。
俺のことを見上げるその顔が誰よりも“嬉しい”という顔をしていた。
誰よりも“バカ”という顔をして・・・
そして、誰よりも“大好き”という顔で俺のことを見ていたと思う。
“ほぼ兄貴”として、”ほぼ友達“として、望は誰よりも俺のことをそんな顔で見ていた。
「このお店でデートですか?
有名なお店ですよね。」
「いえ、”ほぼ家族“みたいな子の”友達“の審査をしてきます。
”そんな偶然ねーだろ!“っていう出会い方をしていたので心配で。」
いつもならカードで支払うところ、何枚もある現金で支払い釣りは受け取らなかった。
チ◯コは死亡したけれど俺は機嫌が良かった。
”早く食って早く審査して、望と夢の国に行こう。“
”家族だって友達同士だって行く場所だろ。“
”俺と望が行ったって何も変じゃない。“
”全然おかしくない。“
”俺は増田財閥を必ずぶっ壊す。
だからそれまでは、気合いを入れまくって望と今の関係を続けていく。“
”俺にしか渡せない、俺だから渡せる”愛してる“を望に渡し続ける。“
「マ◯コなんて関係なく、俺は望のことをマジで愛してる・・・。」
扉を開ける直前に、自然とそう呟いた。
嫌でも大人にならなければこの社会で”普通“には生きていけない。
高校の時、電車に揺られるオッサン達を見て”俺はあんな風にはならない“と本気で思っていた。
”あんな風に死んだ目で生きる大人には絶対にならない。“
そんなことを思っていた俺が、フッと電車の窓ガラスに映った自分の顔を見て思わず小さく笑ったことがある。
俺も漏れなく死んだ目をしたオッサンになって、電車に揺られていたから。
俺も30歳をとっくに過ぎたオッサンで。
あんなに充実した青春の毎日なんて酒のツマミにしかならないと思っていた。
でも、望といるとあの頃の自分をよく思い出す。
望との思い出は全て、俺が1番楽しくて幸せしかない時間の中にいた物だからかもしれない。
30歳になった望があの頃と同じダッフルコートを着て、信じられないことにあの頃と変わらない可愛い顔で俺の前に現れたからかもしれない。
“俺なら何でも出来る”と、“俺なら何でも叶えられる”と、信じて疑わなかったあの頃の俺。
そんな生意気なクソガキだった俺のことを見上げる望の顔が、昔も今も全然変わらないからかもしれない。
俺のことを見上げるその顔が誰よりも“嬉しい”という顔をしていた。
誰よりも“バカ”という顔をして・・・
そして、誰よりも“大好き”という顔で俺のことを見ていたと思う。
“ほぼ兄貴”として、”ほぼ友達“として、望は誰よりも俺のことをそんな顔で見ていた。
「このお店でデートですか?
有名なお店ですよね。」
「いえ、”ほぼ家族“みたいな子の”友達“の審査をしてきます。
”そんな偶然ねーだろ!“っていう出会い方をしていたので心配で。」
いつもならカードで支払うところ、何枚もある現金で支払い釣りは受け取らなかった。
チ◯コは死亡したけれど俺は機嫌が良かった。
”早く食って早く審査して、望と夢の国に行こう。“
”家族だって友達同士だって行く場所だろ。“
”俺と望が行ったって何も変じゃない。“
”全然おかしくない。“
”俺は増田財閥を必ずぶっ壊す。
だからそれまでは、気合いを入れまくって望と今の関係を続けていく。“
”俺にしか渡せない、俺だから渡せる”愛してる“を望に渡し続ける。“
「マ◯コなんて関係なく、俺は望のことをマジで愛してる・・・。」
扉を開ける直前に、自然とそう呟いた。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
性欲の強すぎるヤクザに捕まった話
古亜
恋愛
中堅企業の普通のOL、沢木梢(さわきこずえ)はある日突然現れたチンピラ3人に、兄貴と呼ばれる人物のもとへ拉致されてしまう。
どうやら商売女と間違えられたらしく、人違いだと主張するも、兄貴とか呼ばれた男は聞く耳を持たない。
「美味しいピザをすぐデリバリーできるのに、わざわざコンビニのピザ風の惣菜パンを食べる人います?」
「たまには惣菜パンも悪くねぇ」
……嘘でしょ。
2019/11/4 33話+2話で本編完結
2021/1/15 書籍出版されました
2021/1/22 続き頑張ります
半分くらいR18な話なので予告はしません。
強引な描写含むので苦手な方はブラウザバックしてください。だいたいタイトル通りな感じなので、少しでも思ってたのと違う、地雷と思ったら即回れ右でお願いします。
誤字脱字、文章わかりにくい等の指摘は有り難く受け取り修正しますが、思った通りじゃない生理的に無理といった内容については自衛に留め批判否定はご遠慮ください。泣きます。
当然の事ながら、この話はフィクションです。
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
完結【R―18】様々な情事 短編集
秋刀魚妹子
恋愛
本作品は、過度な性的描写が有ります。 というか、性的描写しか有りません。
タイトルのお品書きにて、シチュエーションとジャンルが分かります。
好みで無いシチュエーションやジャンルを踏まないようご注意下さい。
基本的に、短編集なので登場人物やストーリーは繋がっておりません。
同じ名前、同じ容姿でも関係無い場合があります。
※ このキャラの情事が読みたいと要望の感想を頂いた場合は、同じキャラが登場する可能性があります。
※ 更新は不定期です。
それでは、楽しんで頂けたら幸いです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる