316 / 346
21
21-1
しおりを挟む
カトウ・キサラギシステムズを早退し、雪がめちゃくちゃ積もった東京のオフィス街をダッシュしていく。
長靴でもスニーカーでもなく、撥水加工も何もされていない低めのヒールのパンプスで。
「・・・・・・・・っっっ」
もう何度目か分からないくらい盛大に転び、近くにいた人達がビックリした顔で私のことを見ている。
そんな人達を視界に入れながらまた自分で立ち上がり、走った。
雪が凍りツルツルと滑る氷の道を、雪がやんだ青い空の下を走りまくった。
疲れも足の痛みも何も感じない。
ただ1つだけ残っている私の強い強い感情は・・・
「青さん、酷いよ・・・・・・っっ!!
こんな風に私のことを追い出そうとして・・・!!!!
こんな風に私のことを捨てようとして・・・!!!
もっと普通に追い出してよっっ!!!
もっと普通に捨ててよっっっ!!!!」
怒りの感情だった。
青さんの会社に戻るなり青さんに怒鳴り付けた私のことを、青さんは真顔でジッと見てきた。
こんなの、悲しいを通り越して怒りしかない。
「あんな女まで準備して・・・!!
あの女、永家からの新しい駒かなとも思ったけど、よく思い返すと青さんは昔だけじゃなくて今もあの女のことを知ってた・・・!!
青さんが準備したんでしょ!!?
もう私の案件が嫌になって!!!
でも会社は渡したくなくて!!!
私に弱みを握らせない為に、青さんがあんな女まで準備したんでしょ・・・!!!?」
怒りで唇が震えてくる。
「酷いよ・・・・っっ!!!
もっと普通に追い出して、もっと普通に捨ててよ・・・・っっ!!
いくら私に何の弱みを握らせない為とはいえ、こんなやり方は酷すぎるよ・・・っっ!!」
怒りで身体の中から震えてくる。
私はこんなに怒っているのに青さんは真顔で私のことを見下ろし、それからチラッと私の向こう側を見た。
青さんの視線を追うと、そこには守君がいて・・・。
「だから、言ったじゃん?
こいつは今回の件に何も関わってない。」
そんなよく分からないことを守君が言った瞬間・・・
「・・・・・・・ゎっ」
私の視界が真っ黒になった。
そして凍っていた私の身体は”何か“に覆われ、私の鼻にはよく知っている匂いが入ってきた。
青さんの温もりと匂いに包まれ、この”黒“が青さんのジャケットなのだと気付いた。
「みんな、気にしないでね。
仕事続けて。」
”社長“の青さんがそう言った後、青さんのジャケットに頭から覆われている私の腕を掴み、強引に何処かへ歩かされた。
長靴でもスニーカーでもなく、撥水加工も何もされていない低めのヒールのパンプスで。
「・・・・・・・・っっっ」
もう何度目か分からないくらい盛大に転び、近くにいた人達がビックリした顔で私のことを見ている。
そんな人達を視界に入れながらまた自分で立ち上がり、走った。
雪が凍りツルツルと滑る氷の道を、雪がやんだ青い空の下を走りまくった。
疲れも足の痛みも何も感じない。
ただ1つだけ残っている私の強い強い感情は・・・
「青さん、酷いよ・・・・・・っっ!!
こんな風に私のことを追い出そうとして・・・!!!!
こんな風に私のことを捨てようとして・・・!!!
もっと普通に追い出してよっっ!!!
もっと普通に捨ててよっっっ!!!!」
怒りの感情だった。
青さんの会社に戻るなり青さんに怒鳴り付けた私のことを、青さんは真顔でジッと見てきた。
こんなの、悲しいを通り越して怒りしかない。
「あんな女まで準備して・・・!!
あの女、永家からの新しい駒かなとも思ったけど、よく思い返すと青さんは昔だけじゃなくて今もあの女のことを知ってた・・・!!
青さんが準備したんでしょ!!?
もう私の案件が嫌になって!!!
でも会社は渡したくなくて!!!
私に弱みを握らせない為に、青さんがあんな女まで準備したんでしょ・・・!!!?」
怒りで唇が震えてくる。
「酷いよ・・・・っっ!!!
もっと普通に追い出して、もっと普通に捨ててよ・・・・っっ!!
いくら私に何の弱みを握らせない為とはいえ、こんなやり方は酷すぎるよ・・・っっ!!」
怒りで身体の中から震えてくる。
私はこんなに怒っているのに青さんは真顔で私のことを見下ろし、それからチラッと私の向こう側を見た。
青さんの視線を追うと、そこには守君がいて・・・。
「だから、言ったじゃん?
こいつは今回の件に何も関わってない。」
そんなよく分からないことを守君が言った瞬間・・・
「・・・・・・・ゎっ」
私の視界が真っ黒になった。
そして凍っていた私の身体は”何か“に覆われ、私の鼻にはよく知っている匂いが入ってきた。
青さんの温もりと匂いに包まれ、この”黒“が青さんのジャケットなのだと気付いた。
「みんな、気にしないでね。
仕事続けて。」
”社長“の青さんがそう言った後、青さんのジャケットに頭から覆われている私の腕を掴み、強引に何処かへ歩かされた。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
性欲の強すぎるヤクザに捕まった話
古亜
恋愛
中堅企業の普通のOL、沢木梢(さわきこずえ)はある日突然現れたチンピラ3人に、兄貴と呼ばれる人物のもとへ拉致されてしまう。
どうやら商売女と間違えられたらしく、人違いだと主張するも、兄貴とか呼ばれた男は聞く耳を持たない。
「美味しいピザをすぐデリバリーできるのに、わざわざコンビニのピザ風の惣菜パンを食べる人います?」
「たまには惣菜パンも悪くねぇ」
……嘘でしょ。
2019/11/4 33話+2話で本編完結
2021/1/15 書籍出版されました
2021/1/22 続き頑張ります
半分くらいR18な話なので予告はしません。
強引な描写含むので苦手な方はブラウザバックしてください。だいたいタイトル通りな感じなので、少しでも思ってたのと違う、地雷と思ったら即回れ右でお願いします。
誤字脱字、文章わかりにくい等の指摘は有り難く受け取り修正しますが、思った通りじゃない生理的に無理といった内容については自衛に留め批判否定はご遠慮ください。泣きます。
当然の事ながら、この話はフィクションです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる