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月曜日



「木下です。
前職は経営コンサルティングの会社に勤めていました。
ベンチャー企業でしたので人事・総務・経理の採用でしたが半年後には営業職に異動となり、その後は主に新規事業のコンサルを行っておりました。
IT業界のコンサルも経験しておりますが、内部で働くのは初めてなのでご迷惑をお掛けすることもあるかと思います。
出来るだけ早く即戦力になるようにというお話で加藤社長から採用して頂きましたので、1日でも早く戦力になるよう頑張りたいと思っております。
よろしくお願い致します。」



カトウ・キサラギシステムズの月曜日の朝礼、そこで私は口を大きく開けたまま固まっている。



ミツヤマの木下さんが素晴らしい挨拶をしているから。



いや、それもそうだけど・・・



“なんで木下さんが此処にいるの!!?”



心の中で叫んだ質問に木下さんは勿論答えず、加藤社長からの指示により加治さんが木下さんと私のことを呼んだ。



加治さんのデスクの所に木下さんと集まり、加治さんが手渡してくれたファイルを木下さんと見ていく。



「木下さん、給与計算の経験はありますか?」



「あります。」



「使ってたソフト何だろう?
うちはこれで。」



「そうですよね、このソフトってこの会社が開発したものですからね。
新卒で勤めていた会社でここのソフトを使っていて、凄く使いやすかったので2社目の会社でこのソフトを推薦して取り入れて貰ったくらいです。」



「昔、飲食店のバイトリーダーとして加藤社長はかなり多くの業務負担があって、そこによくお客さんとして来ていた如月社長が加藤社長の為に色んな業務システムを開発しちゃったのがカトウ・キサラギシステムズの始まり。
最終的には本社の業務システムまで手を付け始めて、更に業務システムだけじゃなく加藤社長が会社自体のWeb関係の方まで着手し始めちゃって。
店舗を全国で1位にしただけじゃ終わらなくて、2人で会社自体を何処までも開発したんだよね。
如月社長なんて当時まだ高校生だったのに。」



「凄く震える話ですよね。
その手の話は大好物です。」



「うちの会社の社員の多くは、加藤社長と同じ店舗でバイトをしていた人達なので、当時の面白い話が沢山聞けると思いますよ。」



青さんの会社にあった会社情報や社員情報には記載がなかった話を加治さんがしてくれ、給与計算について木下さんにテキパキと話をしていた。



私は何も分からなかったけれど、木下さんは「はい」と答えたりたまに質問をしたり、完全に2人の世界になっていて。



かと思ったら、今度は木下さんと私だけの世界に・・・。



「木下さん、此処で何してるんですか?
ミツヤマは?」



木下さんのデスクで木下さんから給与計算の仕方を教えて貰い始めてすぐ、そう聞いた。



「辞めたの。」
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