【R18】清掃員加藤望、社長の弱みを握りに来ました!

Bu-cha

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その日の夜



夜ご飯を作り先にご飯を食べ、お風呂も済ませてベッドに横になりながら青さんへの日記をスマホで打っていた。



そしたら、すぐそこの玄関の扉が開く音がして。



たった数日なのにクセになっていた青さんを出迎えるということ。
いつも通り立ち上がってから”どうしようかな“と思い立ち止まった。



そんな私が部屋の中にいるこの部屋の扉が勢い良く開き・・・



「ただいま。」



今日は一段と寒いのにコートも着ていない青さんがスーツ姿で登場し、この部屋の中を勢い良く冷たくした。



そして・・・



「結婚するぞ。」



私の目の前にドカドカ歩いてきながら驚くことを口にして・・・



私の胸に”何か“の紙を押し付けてきた。



それを手に取り見下ろしてみると婚姻届で・・・。



青さんの名前は既に書かれていた・・・。



驚くしか出来ない私に青さんは続けてくる。



「俺の会社は増田財閥に渡す。
だから俺は望と結婚する。」



小さく震えてきた両手で婚姻届を見下ろし続ける。



「俺と結婚したいっていうのは本当なんだろ?」



そう聞いてきた青さんが冷たい指先で私の首元に触れ、首に掛かっていたネックレスのチェーンを引き出し”一平さんの第2ボタン“を私の首から外した。



そして・・・



もっと大きく震え出した私の左手を冷たい手で取り、薬指にスルッと指輪をはめてきた。



「これでもゆるいか。
明日サイズを直してくる。」



ずっと胸の間にあった”一平さんの第2ボタン“がなくなり、その代わりに左手の薬指には結婚指輪がはめられた。



青さんが会社を増田財閥に渡してくれる。



青さんが私と結婚をしてくれる。



青さんが私のことを選んでくれた。



小関の”“家”の秘書、加藤の”家“に生まれた私、加藤望のことを受け止めてくれた。



その事実は凄く凄く嬉しい・・・。



嬉しい、はず・・・。



なのにこの胸はモヤモヤとして。



心の奥底には”何か“があって。



「早く書けよ。」



青さんが高そうな万年筆を渡してきて、それを大きく大きく震える手でゆっくりと受け取った。



段ボールだらけの部屋の中で、段ボールを机の代わりにし、パジャマ姿で婚姻届に記入をしていく。



何でか”苦しい“と思ってしまう。



”悲しい“と、”虚しい“と思ってしまう。



私が自然に恋をした人、再会をして必然のように愛した人、青さんと結婚が出来るのに私はこんなにも冷たい涙を流した。
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