277 / 347
18
18-10
しおりを挟む
夜
「何だか元気がありませんね?」
野々ちゃんの部屋で温かい紅茶を飲みながら頷いた。
「詳しい話は出来ないんだけど、今の仕事の内容にイライラしててさ。」
「仕事をしているとイライラすることもありますよね。
・・・・・・はい、ハンカチです。」
「連絡してくれて本当にありがとうね!!
ずっと探して・・・・・はいなかったんだけど、昨日ないことに気付いて探してて!!」
「私ももっと早く連絡すれば良かったですね。
ベッドの下にあったので気付くのが遅くなっちゃいました。」
「ぜ~んぜん大丈夫!!」
そう答えながらも、青さんから貰ったタオルハンカチを胸の前で抱き締めた。
「野々ちゃんって今何の仕事してるの?
増田財閥に転職とか興味ない?」
「私は恩人が会社を経営していて、そこでお世話になっているんです。
なので増田財閥に転職は・・・。」
「いいのいいの!大丈夫!!
西川の“家”はそもそも代わりの子どもを生み育てておく役割の家で、増田財閥で直接働くとかそういう教育は昔から受けてないはずだし!!」
「・・・・その教育を受けていても他の分家も秘書の“家”も、もう何処もその教育に従っていませんよね?」
「うん、みんなで“いけないコト”をしちゃった。」
「望さんも“いけないコト”をしたいと思いませんか?
お兄さんもいるし、望さんは普通になっても加藤の“家”は大丈夫ですよね?」
私の向かい側に座った野々ちゃんが心配そうな顔で聞いてくるので、私は明るく笑いながら口を開いた。
「鶴さんはどんなおばあちゃんだった?」
「え・・・?」
「うちのおばあちゃんは“ノロマなダメ秘書の亀”って言われてたの。」
「酷い・・・。」
「私は“ダメ秘書”って言われてるけどね!!」
大きく笑った私に野々ちゃんは釣られたのか、クスッと小さく笑った。
「私には逃げない理由が沢山ある。
その理由の1つが小さくなってしまったとしても、他にも沢山の理由があるから私は加藤の”家”の秘書として頑張りたいと思える。」
「そっか・・・。」
「立派な秘書になって小関の“家”に戻って、秘書としてこの人生を終える。」
「この人生を終えたら、次はどんな人生を送りたいですか?」
「青さんの妹か、青さんの子どもかな・・・。
青さんって、私が今お世話になってる家の人で、結構クセが強い男の人ではあるけどすっっっっごく良い人で。」
野々ちゃんに青さんのアピールをしていく。
「顔も普通に格好良いし、34歳だけどたるんでもないどころか筋肉ちゃんとついてるし、性格は結構面倒ではあるけど、根が凄く凄く良い人で!!!」
「凄く良い人の所にいるようで安心しました。」
「うん!!!凄く良い人だよ!!!
青さんって野々ちゃんみたいなお顔が凄くタイプで、会ったら絶対に野々ちゃんのこと口説いちゃうと思う!!!」
「そうですかね・・・。」
「野々ちゃんにお礼をしたいって言ってたし、今度会ってくれるかな!?」
「私が会っても大丈夫なんですか?」
「勿論!!!」
「私が青さんに口説かれていても望さんは大丈夫なんですか?」
「全然大丈夫だよ!!!
むしろ嬉しい!!!
青さんと野々ちゃんが付き合ったら凄く嬉しいし、2人が結婚したら飛び跳ねるくらい喜ぶよ!!!」
死ぬ気で笑い続ける。
”今日は嫌な仕事ばっかりだな・・・。”
そう思ってしまいながら。
「望さんがそんなに言うってことは、本当に良い人なんですね。
私、そろそろ彼氏が欲しいなって思ってて・・・。」
キツい顔をした美人な野々ちゃんが照れたように笑う顔を見て、死ぬ気で演技を続けながら頷いた。
「何だか元気がありませんね?」
野々ちゃんの部屋で温かい紅茶を飲みながら頷いた。
「詳しい話は出来ないんだけど、今の仕事の内容にイライラしててさ。」
「仕事をしているとイライラすることもありますよね。
・・・・・・はい、ハンカチです。」
「連絡してくれて本当にありがとうね!!
ずっと探して・・・・・はいなかったんだけど、昨日ないことに気付いて探してて!!」
「私ももっと早く連絡すれば良かったですね。
ベッドの下にあったので気付くのが遅くなっちゃいました。」
「ぜ~んぜん大丈夫!!」
そう答えながらも、青さんから貰ったタオルハンカチを胸の前で抱き締めた。
「野々ちゃんって今何の仕事してるの?
増田財閥に転職とか興味ない?」
「私は恩人が会社を経営していて、そこでお世話になっているんです。
なので増田財閥に転職は・・・。」
「いいのいいの!大丈夫!!
西川の“家”はそもそも代わりの子どもを生み育てておく役割の家で、増田財閥で直接働くとかそういう教育は昔から受けてないはずだし!!」
「・・・・その教育を受けていても他の分家も秘書の“家”も、もう何処もその教育に従っていませんよね?」
「うん、みんなで“いけないコト”をしちゃった。」
「望さんも“いけないコト”をしたいと思いませんか?
お兄さんもいるし、望さんは普通になっても加藤の“家”は大丈夫ですよね?」
私の向かい側に座った野々ちゃんが心配そうな顔で聞いてくるので、私は明るく笑いながら口を開いた。
「鶴さんはどんなおばあちゃんだった?」
「え・・・?」
「うちのおばあちゃんは“ノロマなダメ秘書の亀”って言われてたの。」
「酷い・・・。」
「私は“ダメ秘書”って言われてるけどね!!」
大きく笑った私に野々ちゃんは釣られたのか、クスッと小さく笑った。
「私には逃げない理由が沢山ある。
その理由の1つが小さくなってしまったとしても、他にも沢山の理由があるから私は加藤の”家”の秘書として頑張りたいと思える。」
「そっか・・・。」
「立派な秘書になって小関の“家”に戻って、秘書としてこの人生を終える。」
「この人生を終えたら、次はどんな人生を送りたいですか?」
「青さんの妹か、青さんの子どもかな・・・。
青さんって、私が今お世話になってる家の人で、結構クセが強い男の人ではあるけどすっっっっごく良い人で。」
野々ちゃんに青さんのアピールをしていく。
「顔も普通に格好良いし、34歳だけどたるんでもないどころか筋肉ちゃんとついてるし、性格は結構面倒ではあるけど、根が凄く凄く良い人で!!!」
「凄く良い人の所にいるようで安心しました。」
「うん!!!凄く良い人だよ!!!
青さんって野々ちゃんみたいなお顔が凄くタイプで、会ったら絶対に野々ちゃんのこと口説いちゃうと思う!!!」
「そうですかね・・・。」
「野々ちゃんにお礼をしたいって言ってたし、今度会ってくれるかな!?」
「私が会っても大丈夫なんですか?」
「勿論!!!」
「私が青さんに口説かれていても望さんは大丈夫なんですか?」
「全然大丈夫だよ!!!
むしろ嬉しい!!!
青さんと野々ちゃんが付き合ったら凄く嬉しいし、2人が結婚したら飛び跳ねるくらい喜ぶよ!!!」
死ぬ気で笑い続ける。
”今日は嫌な仕事ばっかりだな・・・。”
そう思ってしまいながら。
「望さんがそんなに言うってことは、本当に良い人なんですね。
私、そろそろ彼氏が欲しいなって思ってて・・・。」
キツい顔をした美人な野々ちゃんが照れたように笑う顔を見て、死ぬ気で演技を続けながら頷いた。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
性欲の強すぎるヤクザに捕まった話
古亜
恋愛
中堅企業の普通のOL、沢木梢(さわきこずえ)はある日突然現れたチンピラ3人に、兄貴と呼ばれる人物のもとへ拉致されてしまう。
どうやら商売女と間違えられたらしく、人違いだと主張するも、兄貴とか呼ばれた男は聞く耳を持たない。
「美味しいピザをすぐデリバリーできるのに、わざわざコンビニのピザ風の惣菜パンを食べる人います?」
「たまには惣菜パンも悪くねぇ」
……嘘でしょ。
2019/11/4 33話+2話で本編完結
2021/1/15 書籍出版されました
2021/1/22 続き頑張ります
半分くらいR18な話なので予告はしません。
強引な描写含むので苦手な方はブラウザバックしてください。だいたいタイトル通りな感じなので、少しでも思ってたのと違う、地雷と思ったら即回れ右でお願いします。
誤字脱字、文章わかりにくい等の指摘は有り難く受け取り修正しますが、思った通りじゃない生理的に無理といった内容については自衛に留め批判否定はご遠慮ください。泣きます。
当然の事ながら、この話はフィクションです。
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
完結【R―18】様々な情事 短編集
秋刀魚妹子
恋愛
本作品は、過度な性的描写が有ります。 というか、性的描写しか有りません。
タイトルのお品書きにて、シチュエーションとジャンルが分かります。
好みで無いシチュエーションやジャンルを踏まないようご注意下さい。
基本的に、短編集なので登場人物やストーリーは繋がっておりません。
同じ名前、同じ容姿でも関係無い場合があります。
※ このキャラの情事が読みたいと要望の感想を頂いた場合は、同じキャラが登場する可能性があります。
※ 更新は不定期です。
それでは、楽しんで頂けたら幸いです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる