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俺のその言葉にも望は何も反応せず、小さな寝息だけを立てている。



「すげーエロい夢見てさ、俺。」



「・・・・・・。」



「すげー幸せな夢でさ。」



「・・・・・・。」



「増田財閥をぶっ壊したのに、望が一平の所じゃなくて俺の所にまだいてさ。」



「・・・・・・。」



「望が普通の女の子になって、一平も普通の男になれたのに、望は一平じゃなくて俺のことを選んでさ。」



「・・・・・・。」



「俺とこのまま夫婦を続けてくれてさ。」



「・・・・・・・。」



「ノンノンの弟か妹を作ろうって言ってくれてさ。」



「・・・・・・・。」



「みこすりはんの俺のことを怒りながらもすげー嬉しそうに俺と子作りしてて。」



「・・・・・・。」



「すげー幸せそうにしてて。」



「・・・・・・。」



「夢の中の望は俺のことが本当に好きだって言ってくれて。」



「・・・・・・。」



「本当に愛してるって言ってくれて。」



「・・・・・・・。」



「そんな都合の良い夢を見た。」



「・・・・・・。」



目を開けてくれない望に俺が見た夢の話をする。



俺だけしか見ていない夢の話をする。



俺だけが望む“夢”の話をする。



「望は早く一平の所に行きたいよな・・・。」



「・・・・・・。」



「貴子と別れた一平の所に行きたいよな・・・。」



「・・・・・・。」



「ごめんな。」



「・・・・・・。」



「俺の弱みを握る為に、ごめんな・・・。」



「・・・・・・。」



「まだ早いタイミングではあるけど、俺もそろそろ動き出すから。」



「・・・・・・。」



「増田財閥なんて俺がぶっ壊してやるから。」



「・・・・・・。」



「望のことを一平の所に必ず帰してやるから。」



「・・・・・・。」



「お前達を普通の女の子と普通の男にして・・・。」



「・・・・・・。」



「俺が絶対に幸せにしてやるから・・・。」



望の胸に吸い付いているかのように手が離せない。
パジャマの上からでも望の胸の先が勃ってきたのが分かる。



「望、起きろよ。
じゃないとこのままヤっちまうぞ。」



「・・・・・・。」



「本当のところは俺となんてセックスしたくないだろ?」



「・・・・・・・。」



「一瞬でも嫌がったらすぐに止めてやるから、早く起きろよ。」



「・・・・・・・。」



「望。」



「・・・・・・。」



「星野望。」



「・・・・・・。」



「ノンノン・・・・。」



この”ノンノン“は心の奥底に仕舞った”ノンノン“ではない。



“ノンノンは普通の女の子になっても良いとおばあちゃんは思うけどねぇ。



”お兄ちゃん“からの研修初日、呆けた亀さんがボロボロの赤ちゃんの人形に言っていた姿を思い出す。



呆けながらも愛している顔で”ノンノン“のことを抱いていた亀さんの姿。



”ノンノン“は普通の女の子になっても良いと思っていた亀さんの言葉。



「”加藤望“なんて捨てて普通の女の子になれよ、ノンノン。」



「・・・・・・・。」



「それで・・・」



「・・・・・・・。」



「それでさ、俺とこのままずっと一緒にいろよ・・・。」



「・・・・・・・。」



「俺が愛してやるから・・・。」



「・・・・・・・。」



「俺が愛し抜いてやるから・・・。」



「・・・・・・。」



「俺の望への”愛してる“は、亀さんにも一平にも負けてねーから・・・。」



「・・・・・・。」



「俺で良いじゃん・・・。」



「・・・・・・。」



「一平なんてドMなんだから、ドMの望とは合わねーよ・・・。」



「・・・・・・。」



「俺じゃあ・・・・ダメ・・・?」



俺のことを大きな目で映すことはない望の頬にもう1度キスをした。



その瞬間、見えた・・・。



“何で増田財閥を壊しちゃったの・・・!?
そんなこと、一平さんも私も望んでないって言ったじゃん・・・!!!“



大嫌いどころか俺のことを恨んでいる顔で、泣きながら怒鳴り付けてくる未来の望の姿が見えた。
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