【R18】清掃員加藤望、社長の弱みを握りに来ました！

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考えていたうちの1つのことを言い当てられ、それには何も言えなくなる。



「そんなことに俺が頷くわけないだろ・・・。
俺の望への”愛してる“を舐めんなよ・・・。」



「・・・・・・。」



「俺は望のことを増田財閥から絶対に解放する。
でも、解放された後の望は俺とのこの生活を思い出して”凄く怖かった“って苦しむ。
俺がこんなにも幸せな気持ちになってるこの暮らしのことを、お前は今みたいに苦しむんだよ・・・。」



「・・・・・・。」



「セックスなんてもうするかよ・・・。
今更遅いけどな、好きな女を・・・愛してる女を、俺のチ◯コで苦しませるとかこれ以上はしたくない・・・。」



「・・・・・・。」



「望の演技が凄すぎて俺も騙される・・・。
お前が俺のことを男としても好きなんじゃないかって何度も騙される・・・。
お前も俺との”ほぼ夫婦生活“を幸せに感じてるんじゃないかって勘違いする・・・。
何度も何度も”これは嘘だ“って、”演技だ“って言い聞かせるのに、何度でも騙される。」



青さんがゆっくりと顔を上げ、真剣な目で私のことを見詰めた。



「ごめんな、望。」



私に謝った青さんが泣きそうな顔で笑った。



「望が死ぬ気で俺との”ほぼ夫婦生活“を送ってくれてるけどな、望との本当の結婚を目の前にぶら下げられても、俺は会社を絶対に渡さない。
俺の”愛してる“はそれくらいの”愛してる”だから。」



目に涙を溜めた青さんが優しい優しい笑顔で私に笑った。



「俺自身の幸せなんかよりも、望が愛してる男と結ばれる未来を俺は迷わず選ぶ。
俺の望への“愛してる”だって誰にも負けない。
一平にだって絶対に負けねーよ。」



青さんの手が私の方に伸びてきて、指先がほんの少しだけ私の唇に触れた。



「望のことを本当に幸せにする男は、俺でありたい。」



私の唇にほんの少しだけ触れていた指先を、青さんはギュッと握った。



「セックスなしで“ほぼ夫婦生活”を送るぞ。
妊娠期間だし産後にもなるだろうし、その方が普通だろ。」



青さんはそう言って、私に大きな背中を向けてリビングに歩いていった。



「あ、そうだ。
銀が取ってきた掃除の仕事があって、それを望に頼みたいらしい。
出来れば清掃までして欲しいとは言われてる。
明日会社で説明するから。」



普通に仕事の話をし始めた青さんの大きな背中を眺め、私は静かに泣いた。