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少し泣いた、と思っていたけれど・・・
社長室に足を踏み入れた瞬間に号泣した。
「待て待てっ、今見えなくするから!」
青さんが急いでガラスを消してくれ、私の姿を安倍さんからも見えないように立ってくれた。
「安倍さん、少しこいつからの業務報告を聞いて良いっすか?
すみませんね。」
青さんが“社長”の姿ではなく普通の姿で安倍さんにそう言うと、「どうぞ。」と短いけれど優しい声が聞こえてきた。
「仕事は・・・上手くいったんだよな、さっきのお前からのメッセージを確認してる。
それに先方からもお礼の電話が今さっき掛かってきたところで・・・・・て、アレか。
やっぱりお前にはダメージがデカすぎるやり方だっただろ?
だからやめろって言っただろ?」
「やめろなんて言ってなかったよ・・・!!」
「そんな様なことを言ってただろ!!
あんなやり方をするとか、どこまでドMなんだよ!!!」
「私はドMじゃないよ・・・っっ」
青さんの前で色んな感情が爆発する。
全部の感情が大爆発してくる。
1度死に、一美さんから少しだけ生き返らせて貰った身体なのに、こんなに多くの感情が溜まっていた。
青さんの姿を見て凄く安心した。
凄く凄く安心して、“もっと生きたい”とも思う。
“私はもっともっと生きたいのに・・・”
「あのオジサンからほっぺたにキスされて嫌だったもん・・・・・っっ」
号泣しながらほっぺたを擦る。
「口にもキスをされそうになったのも、腕も手も背中も太もももお尻も・・・おマ◯コまで触られたのも嫌だったもん・・・・っっ」
叫びながら両手で自分の身体を抱き締める。
「ボ◯キしたおちんちんまで見せられて、触るように言われたのも嫌だったもん・・・・っっっ」
震える身体はどんどん冷たくなってくる。
青さんから貰ったロングコートも着ているし、自分で自分のことを抱き締めているのに。
「怖かった・・・っっ、凄く怖くて・・・」
アレは台本の中の話だと頭では分かっている。
なのに私は“ダメ秘書”だから・・・。
この口からそれらの言葉を出した瞬間、それが本当のことのように頭が錯覚を起こしてしまった。
「私は手も足も心も汚せないといけないのに・・・っ!!
私自身を殺せないといけないのに・・・っ!!
怖かった・・・・っっ、凄く怖くて・・・・っっっ」
「だから、すぐに俺に連絡してこいって言っだだろ?」
「青さんに連絡をするなんて考えられないくらいに怖かった・・・!!!」
「そこはすぐに俺のことを思い浮かべろよ!!」
「青さんのことを思い浮かべる前に、か・・・っ」
“一美さんが助けに来てくれた。”
安倍さんがいることを思い出し、その言葉は必死に我慢をした。
「小関の“家”の人が助けに来てくれたから青さんに連絡しなくても大丈夫だったの!!」
「何も大丈夫じゃねーだろ!!
そんなに号泣してどこが大丈夫なんだよ!!」
「大丈夫なの・・・っっ!!
ちゃんと浄化もして貰えてる・・・っ!!
だからちゃんと生き返ることも出来てる・・・!!!」
「そんなに泣いてて何が浄化だよ!!
帰ったら俺がセックスで掃除してやるから大人しく待ってろ!!
俺が相手だから清掃までは出来ないけどな、掃除くらいならしてやるから!!!」
「そんなこと言って、青さん嘘つきだもん・・・!!」
「はあ!?何がだよ!!」
「インフルが治ったらエッチしてくれるって言ったのにしてこないじゃん!!!」
「それは望が・・・・・っっっ」
「私が何!?」
「可哀想だから・・・。」
それを言われ、私は号泣よりも大きく泣いた。
「私は可哀想じゃない・・・っっ!!!」
「可哀想だろ、俺となんて本当のところはしたくないのに。」
「私は可哀想じゃない・・・っっ!!
可哀想なのは青さんじゃん!!
めっっっっちゃ早漏だから掃除も出来ないよ・・・!!!」
「はあ・・・!!?
それなのにイきまくってたくせに何言ってんだよ!!?
お前、帰ったら覚えてろよ!!?
“可哀想”なんて二度と言わせねーくらいイかせまくってやるからな!!?」
青さんは大きな手で私の顔をグシャグシャと拭い、ポイッと社長室から放り出した。
「いや、扱い雑・・・!!!
ネコじゃないんだから。」
“いや、ネコか。
ノンノンではなくなって、“嫁さん”とは言ってくれてるけど私は可哀想なネコくらいの存在だった。”
めちゃくちゃ泣きそうになったけれど、主に女の人達がチラチラと私のことを見ていたので意地でも泣かなかった。
と、思ったけど・・・
私は“ダメ秘書”だから普通に泣いた。
「え、何!?どうしたの!?」
「青さんが全然優しくない~・・・っっ」
「社長が!?あんなに優しい人なんてなかなかいないよ?」
「それは分かってるけど、もっと優しくして欲しかったの~・・・っっ」
「それは加藤さんが望みすぎだよ~。
・・・あ、ダジャレじゃないよ?」
「全然面白くないです~・・・っっ」
「真白く~ん!!加藤さんが面倒なことになってる~!!」
「え~、俺?
そのネコ、社長のだから俺が手ぇ出せないからさ、よろしく!!」
「え~!!私も仕事あるから!!
ねぇ、ちょっとお願い出来る?」
「え!?私も仕事ありますし・・・」
「みんな全然優しくない~・・・っっっ!!」
30歳にもなった私が、こんなに大勢の前で本気で号泣をしながら文句を言いまくった。
社長室に足を踏み入れた瞬間に号泣した。
「待て待てっ、今見えなくするから!」
青さんが急いでガラスを消してくれ、私の姿を安倍さんからも見えないように立ってくれた。
「安倍さん、少しこいつからの業務報告を聞いて良いっすか?
すみませんね。」
青さんが“社長”の姿ではなく普通の姿で安倍さんにそう言うと、「どうぞ。」と短いけれど優しい声が聞こえてきた。
「仕事は・・・上手くいったんだよな、さっきのお前からのメッセージを確認してる。
それに先方からもお礼の電話が今さっき掛かってきたところで・・・・・て、アレか。
やっぱりお前にはダメージがデカすぎるやり方だっただろ?
だからやめろって言っただろ?」
「やめろなんて言ってなかったよ・・・!!」
「そんな様なことを言ってただろ!!
あんなやり方をするとか、どこまでドMなんだよ!!!」
「私はドMじゃないよ・・・っっ」
青さんの前で色んな感情が爆発する。
全部の感情が大爆発してくる。
1度死に、一美さんから少しだけ生き返らせて貰った身体なのに、こんなに多くの感情が溜まっていた。
青さんの姿を見て凄く安心した。
凄く凄く安心して、“もっと生きたい”とも思う。
“私はもっともっと生きたいのに・・・”
「あのオジサンからほっぺたにキスされて嫌だったもん・・・・・っっ」
号泣しながらほっぺたを擦る。
「口にもキスをされそうになったのも、腕も手も背中も太もももお尻も・・・おマ◯コまで触られたのも嫌だったもん・・・・っっ」
叫びながら両手で自分の身体を抱き締める。
「ボ◯キしたおちんちんまで見せられて、触るように言われたのも嫌だったもん・・・・っっっ」
震える身体はどんどん冷たくなってくる。
青さんから貰ったロングコートも着ているし、自分で自分のことを抱き締めているのに。
「怖かった・・・っっ、凄く怖くて・・・」
アレは台本の中の話だと頭では分かっている。
なのに私は“ダメ秘書”だから・・・。
この口からそれらの言葉を出した瞬間、それが本当のことのように頭が錯覚を起こしてしまった。
「私は手も足も心も汚せないといけないのに・・・っ!!
私自身を殺せないといけないのに・・・っ!!
怖かった・・・・っっ、凄く怖くて・・・・っっっ」
「だから、すぐに俺に連絡してこいって言っだだろ?」
「青さんに連絡をするなんて考えられないくらいに怖かった・・・!!!」
「そこはすぐに俺のことを思い浮かべろよ!!」
「青さんのことを思い浮かべる前に、か・・・っ」
“一美さんが助けに来てくれた。”
安倍さんがいることを思い出し、その言葉は必死に我慢をした。
「小関の“家”の人が助けに来てくれたから青さんに連絡しなくても大丈夫だったの!!」
「何も大丈夫じゃねーだろ!!
そんなに号泣してどこが大丈夫なんだよ!!」
「大丈夫なの・・・っっ!!
ちゃんと浄化もして貰えてる・・・っ!!
だからちゃんと生き返ることも出来てる・・・!!!」
「そんなに泣いてて何が浄化だよ!!
帰ったら俺がセックスで掃除してやるから大人しく待ってろ!!
俺が相手だから清掃までは出来ないけどな、掃除くらいならしてやるから!!!」
「そんなこと言って、青さん嘘つきだもん・・・!!」
「はあ!?何がだよ!!」
「インフルが治ったらエッチしてくれるって言ったのにしてこないじゃん!!!」
「それは望が・・・・・っっっ」
「私が何!?」
「可哀想だから・・・。」
それを言われ、私は号泣よりも大きく泣いた。
「私は可哀想じゃない・・・っっ!!!」
「可哀想だろ、俺となんて本当のところはしたくないのに。」
「私は可哀想じゃない・・・っっ!!
可哀想なのは青さんじゃん!!
めっっっっちゃ早漏だから掃除も出来ないよ・・・!!!」
「はあ・・・!!?
それなのにイきまくってたくせに何言ってんだよ!!?
お前、帰ったら覚えてろよ!!?
“可哀想”なんて二度と言わせねーくらいイかせまくってやるからな!!?」
青さんは大きな手で私の顔をグシャグシャと拭い、ポイッと社長室から放り出した。
「いや、扱い雑・・・!!!
ネコじゃないんだから。」
“いや、ネコか。
ノンノンではなくなって、“嫁さん”とは言ってくれてるけど私は可哀想なネコくらいの存在だった。”
めちゃくちゃ泣きそうになったけれど、主に女の人達がチラチラと私のことを見ていたので意地でも泣かなかった。
と、思ったけど・・・
私は“ダメ秘書”だから普通に泣いた。
「え、何!?どうしたの!?」
「青さんが全然優しくない~・・・っっ」
「社長が!?あんなに優しい人なんてなかなかいないよ?」
「それは分かってるけど、もっと優しくして欲しかったの~・・・っっ」
「それは加藤さんが望みすぎだよ~。
・・・あ、ダジャレじゃないよ?」
「全然面白くないです~・・・っっ」
「真白く~ん!!加藤さんが面倒なことになってる~!!」
「え~、俺?
そのネコ、社長のだから俺が手ぇ出せないからさ、よろしく!!」
「え~!!私も仕事あるから!!
ねぇ、ちょっとお願い出来る?」
「え!?私も仕事ありますし・・・」
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