【R18】清掃員加藤望、社長の弱みを握りに来ました！

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翌日



今日もお昼休みの前にミツヤマに着くと、女の社員達は私のことを見ることがなく、空気のように扱うつもりなのだと分かった。
チラッと木下さんのことを確認すると、木下さんも私のことを見ていない。



”女同士で私の悪口で盛大に盛り上がりつつ、必要な情報収集をお願いします。“



あのお魚屋さんで話した言葉と同じ言葉を心の中でもう1度伝えた。



「加藤さん、俺らと一緒にお昼行く？」



デスクに着いたばかりの私の所に男の人が何人か来てくれ、お昼ご飯に誘ってくれた。
男の人達の向こう側には、さっきまで私のことを無視していた女性社員達がこちらを見ている。



もう、めっっっっちゃ怖い顔で見ている。



それには思わず笑ってしまいながら言った。



「女の人達が凄く怖い顔でこっちを見てる～！！」



その中でも1番怖い顔をしている安藤香奈に視線を移し、謝罪をした。



「安藤さん！！
昨日は余計なことを言ってごめんなさ～い！！
尾崎先生から私のことを何か聞きましたか？」



「アナタのことなんてわざわざ聞くわけないでしょ！！」



「えぇぇぇ、聞いてくださいよぉ！！」



「沢山いる生徒の中でアナタ1人のことなんて覚えて・・・・・・・」



「いますよねぇ～！！
尾崎先生ってそういう先生だし。
それに私尾崎先生と結構仲が良くて、卒業後も尾崎先生のお家に行ったりしてて。」



田代やマナリー、ソっちゃんと一緒に奥さんの出産祝いを渡しに行った時のことを思い浮かべながら言ったら、安藤香奈の顔がもっと険しくなった。



「アナタって昔から相手がいる男のことが好きだったの！？」



そう言われて・・・



「安藤さんだって妹のことを溺愛している尾崎先生のことが好きだったじゃないですか～。」



今はまだ安藤香奈を亡霊にするつもりはないけれど、重症は負わせていく。



「妹とじゃれ合って、凄く楽しそうな尾崎先生の姿が大好きだったんですよね？
でもあの2人、兄妹っていうのは無理がありますよ～。
全然似てないじゃん、二卵性の双子だとしても全然似てない。」



「・・・・・・・。」



「でも、安藤さん良い仕事しましたよ～！
安藤さんが手を出したお陰で、尾崎先生はず～っと昔から大好きだった女の子と結ばれましたからね？」



「・・・・・・。」



怒りからか顔が真っ赤になっている安藤香奈に笑顔を作って続けた。



「尾崎先生と妹さんの結婚式のスピーチ、笑いあり涙ありの素晴らしいスピーチだったそうですね～！
すご～い！やっぱりお仕事が出来る女の人ですね～！」



笑顔を作りながらも安藤香奈のことをジッと見詰めた。



「私だったら無理だな～！
どうしても欲しくなっちゃうもん。
私、好きな人のことはどうしても欲しくなっちゃうタイプで。」



そこまで言った後、パッと立ち上がり周りの男の人達のことを見た。



「オジサ・・・、えっと～、社長は今いる？」



「今は外出中かな。」



「えぇ、残念。
じゃあ仕方ないから一緒にお昼行く！」



「仕方ないは酷いな～。」



男の人達に囲まれるようにミツヤマのオフィスから外へと出て行った。



背中に目は勿論ないけれど、それなのに女の人達の怖すぎる視線を確かに感じながら。