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青さんの会社へと戻ると、定時を過ぎているのにこの会社の社員達もまだ仕事をしている。
「ブラック企業。」
扉からその光景を眺めボソッと呟くと・・・
後ろに大きな圧を感じ、でも私が知っている圧で。
「お前の所なんてブラックどころの騒ぎじゃねーだろ。」
青さんの声がして、それには笑いながら振り向いた。
そしたら・・・
青さんが、いなかった。
青さんの代わりにいたのは、ガッシリとした大きい青さんの見た目とは違いシュッとした格好良い男の人で・・・。
どこか空っぽに見えるような目で私のことを見下ろし、ほんの少しだけその瞳に光りが灯った。
「おぉ、マジだ。花音と同じ顔の系統。」
「・・・・・青さんの従弟の・・・・守君?」
「うん、星野守。
社長は今いねーよ、真白ならいる。」
表情が変わらない顔を動かした守君の顔に釣られそっちの方を見ると、真白君が普通の社員らしき人と何かを話している姿があった。
「俺で良ければ話聞くけど。」
「・・・・・変なことしないでよ?」
両手で自分の身体を守るように抱くと、守君が青さんにも似た意地悪な顔で少しだけ笑った。
「それ、本当はして欲しいやつ?」
「全然。」
「あ~・・・うん、このやり取りだけで違うわ、お前花音と全然違う。」
「花音ちゃん?花音さん?がどんな人かは知らないけど、同じわけないじゃん。」
そう答えた後に、会議室へと向かって私から歩き始めた。
「ミツヤマの件でちょっと相談したい。
私は普通じゃない清掃員としての経験は全然ないから、1人じゃ結構不安で。」
「誰かに相談したって良い。
ゴールは”綺麗にすること“であって、結果が全てだからな。」
「花音をお兄ちゃんに取られちゃった結果になったんだって?」
「そうなんだよ・・・、俺が先に花音と出会って、俺が先に花音のことを好きになったのに。」
守君がブツブツと文句を言いながら、会議室の扉を先に開いてくれた。
「花音はどんな女の子だったの?」
「頑張っている奴のことを全力で応援出来るような子。」
「めっちゃ良い子じゃん。」
「”子“って言って良いのか・・・。
俺よりも7歳も年上だから。
お前よりも青兄よりも年上。」
青さんのことを“社長“ではなく”青兄“と呼んだ守君に微笑みながら、私が先に会議室へと入った。
「青さんは何て言ってた?」
「”兄貴よりも先にやっておけば良かっただろ!!
そしたらその女も簡単には兄貴の方に乗り換えなかっただろ!!?“って爆笑してた。」
「青さんらしいね。」
「俺、当時10歳だったからな?
”やる“の意味がやっと分った時に、”10歳の奴にそんなことを言ってきたあの人はやっぱりヤバいな“と改めて思った。」
「それはヤバいね!!!
ヤバいっていうか青さんキモいね!!!」
大きく笑った私の目の前の席に、守君が座った。
「めちゃくちゃキモいよな。
でも、そういうめちゃくちゃキモい所も”好き“だと思わせる魅力がある人だよ、青兄は。」
少しだけ優しい顔をした守君が私に真っ直ぐと言ってきた。
「”ワン“なんかじゃなくて、青兄とずっと一緒にいれば良いのに。」
「私は小関の”家“の秘書だから。」
「青兄と先に”やった“のに、簡単に乗り換えられる女なんだ?」
「乗り換えるとかじゃないよ。
それに・・・」
少しだけ空気を大きく吸い、笑いながら続けた。
「青さんは私のことを本当の意味で”愛してる“わけじゃないから。
青さんには青さんがタイプの女の人と普通に幸せになって欲しいよ。」
本当に思っていることを口から出した私のことを、守君はバカにしたように笑った。
「タイプの女と付き合いまくってやりまくってきた青兄から、普通に幸せになるどころかチ◯コだけでも幸せになった話を俺は聞いたことがねーけど。」
それには何て返事をしようか悩んだ私の顔ではなく、守君は何処か遠くを眺めた。
「タイプじゃなくても”可愛い“は”可愛い“し、チ◯コもちゃんと気持ち良くなるならそれはもう・・・それでも良いもんなのかもな。」
そんなことを呟いた守君には、やっぱり何て返事をしたら良いのか分からなかった。
「ブラック企業。」
扉からその光景を眺めボソッと呟くと・・・
後ろに大きな圧を感じ、でも私が知っている圧で。
「お前の所なんてブラックどころの騒ぎじゃねーだろ。」
青さんの声がして、それには笑いながら振り向いた。
そしたら・・・
青さんが、いなかった。
青さんの代わりにいたのは、ガッシリとした大きい青さんの見た目とは違いシュッとした格好良い男の人で・・・。
どこか空っぽに見えるような目で私のことを見下ろし、ほんの少しだけその瞳に光りが灯った。
「おぉ、マジだ。花音と同じ顔の系統。」
「・・・・・青さんの従弟の・・・・守君?」
「うん、星野守。
社長は今いねーよ、真白ならいる。」
表情が変わらない顔を動かした守君の顔に釣られそっちの方を見ると、真白君が普通の社員らしき人と何かを話している姿があった。
「俺で良ければ話聞くけど。」
「・・・・・変なことしないでよ?」
両手で自分の身体を守るように抱くと、守君が青さんにも似た意地悪な顔で少しだけ笑った。
「それ、本当はして欲しいやつ?」
「全然。」
「あ~・・・うん、このやり取りだけで違うわ、お前花音と全然違う。」
「花音ちゃん?花音さん?がどんな人かは知らないけど、同じわけないじゃん。」
そう答えた後に、会議室へと向かって私から歩き始めた。
「ミツヤマの件でちょっと相談したい。
私は普通じゃない清掃員としての経験は全然ないから、1人じゃ結構不安で。」
「誰かに相談したって良い。
ゴールは”綺麗にすること“であって、結果が全てだからな。」
「花音をお兄ちゃんに取られちゃった結果になったんだって?」
「そうなんだよ・・・、俺が先に花音と出会って、俺が先に花音のことを好きになったのに。」
守君がブツブツと文句を言いながら、会議室の扉を先に開いてくれた。
「花音はどんな女の子だったの?」
「頑張っている奴のことを全力で応援出来るような子。」
「めっちゃ良い子じゃん。」
「”子“って言って良いのか・・・。
俺よりも7歳も年上だから。
お前よりも青兄よりも年上。」
青さんのことを“社長“ではなく”青兄“と呼んだ守君に微笑みながら、私が先に会議室へと入った。
「青さんは何て言ってた?」
「”兄貴よりも先にやっておけば良かっただろ!!
そしたらその女も簡単には兄貴の方に乗り換えなかっただろ!!?“って爆笑してた。」
「青さんらしいね。」
「俺、当時10歳だったからな?
”やる“の意味がやっと分った時に、”10歳の奴にそんなことを言ってきたあの人はやっぱりヤバいな“と改めて思った。」
「それはヤバいね!!!
ヤバいっていうか青さんキモいね!!!」
大きく笑った私の目の前の席に、守君が座った。
「めちゃくちゃキモいよな。
でも、そういうめちゃくちゃキモい所も”好き“だと思わせる魅力がある人だよ、青兄は。」
少しだけ優しい顔をした守君が私に真っ直ぐと言ってきた。
「”ワン“なんかじゃなくて、青兄とずっと一緒にいれば良いのに。」
「私は小関の”家“の秘書だから。」
「青兄と先に”やった“のに、簡単に乗り換えられる女なんだ?」
「乗り換えるとかじゃないよ。
それに・・・」
少しだけ空気を大きく吸い、笑いながら続けた。
「青さんは私のことを本当の意味で”愛してる“わけじゃないから。
青さんには青さんがタイプの女の人と普通に幸せになって欲しいよ。」
本当に思っていることを口から出した私のことを、守君はバカにしたように笑った。
「タイプの女と付き合いまくってやりまくってきた青兄から、普通に幸せになるどころかチ◯コだけでも幸せになった話を俺は聞いたことがねーけど。」
それには何て返事をしようか悩んだ私の顔ではなく、守君は何処か遠くを眺めた。
「タイプじゃなくても”可愛い“は”可愛い“し、チ◯コもちゃんと気持ち良くなるならそれはもう・・・それでも良いもんなのかもな。」
そんなことを呟いた守君には、やっぱり何て返事をしたら良いのか分からなかった。
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