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「えぇ~、星野さんどうしたんですか、大丈夫?
注文は今日もいつものにします?
・・・あ、でも今日ニンニク大丈夫ですか?」
さっきまでお会計をしていた女の子の店員さんが青さんに話し掛けた後、私に可愛い笑顔を向けてきた。
かと思ったら、私のことをジィィィッと見詰めてきて・・・
「何だろう・・・何処かでお会いしたことがある気がする。」
安倍さんの妹であり、目の前の男の子の奥さんであると思われる女の子が、お兄ちゃんとよく似た顔の私にそう言ってきた。
それには何て言おうか悩んでしまって。
そしたら隣に座る青さんがゆっくりと頭だけを動かし、両腕の間から横目で私のことを見上げてきて・・・
「前に写真を見せた、俺のネコに似てるんじゃないかな?
この子、俺のネコの命とほぼ同じ命の子なんだよね。」
この女の子からしてみたらめちゃくちゃ意味不明でキモいとも思うようなことを言い出した青さんには慌ててしまう。
そしたら・・・
「凄~い、ノンノンの話以外では作ったように静かで穏やかな星野さんがそんなことを言ってる~!!
星野さんって、うちのラーメン屋でデートをしたいとまで言ってくれてる常連さんなんですよ!!
”あと40年とか50年、俺が爺さんになる頃までこの店を続けていて欲しい“って、“もしかしたら、俺が爺さんになったら呆けた婆さんをデートに連れてくるかもしれないから、その時は、呆けた婆さんでも記憶に残るくらい美味いラーメンを出して欲しい“って、そんな要望までくれちゃうくらいの常連さんで!!」
女の子が優しい優しい笑顔で続けてきた。
「”俺のことなんて何も覚えてなくても、”めちゃくちゃ美味いラーメンを食べたな“って、”その時に誰かが隣にいたかもしれない“って、それくらいで良いから、呆けた婆さんの記憶に残っていられると良いな“って、ビールまで飲み始める時はよく言っていて。
凄く嬉しそうに、でも凄く寂しそうにも見える顔でよく言っていて。」
テーブルに突っ伏したままの青さんの肩を女の子が何度も叩いた。
「こんなに格好良いのにうちでのデートはお爺さんになるまで諦めモードで、だいぶ拗らせてるオジサンかと心配してたけど良かったよぉ~!
呆けたお婆さんじゃなくて、こんなに可愛い女の子をデートに連れてこられましたね~!
良かった良かった~!!
注文どうします~?」
「俺はいつもので・・・。」
「ニンニク大丈夫ですか?」
女の子がまたそれを聞くと、青さんがゆっくりと身体を起こした。
「ニンニクが臭かったっていう記憶でも良いから、この子の記憶に残っていたいんだよね。」
「その見た目でどれだけ恋愛下手なんですか!!
絶対ニンニク臭くない方が良いのに!!
うちのラーメンが原因で振られたとかやめてくださいよ!?
・・・あの、お願いしますね?」
女の子が恐る恐る私に”お願い“をしてきて、それには微笑みだけを返しておいた。
「私は醤油ラーメンで。」
一美さんがいつも食べていたという醤油ラーメンを注文した私に、女の子はまたジィィィッと私のことを見詰めてきて。
さっきの返事を待っているのかと思ったら・・・
「もしかして、お姉さんがいますか?」
そんな質問をされ、それには普通に首を横に振った。
そんな私に女の子は不思議そうに首を傾げて。
「そっか・・・すみません。
私の兄のお相手の方に、雰囲気が何となく似ていて。
もしかしたら一美さんの・・・兄のお相手の妹さんなのかと思って。」
注文は今日もいつものにします?
・・・あ、でも今日ニンニク大丈夫ですか?」
さっきまでお会計をしていた女の子の店員さんが青さんに話し掛けた後、私に可愛い笑顔を向けてきた。
かと思ったら、私のことをジィィィッと見詰めてきて・・・
「何だろう・・・何処かでお会いしたことがある気がする。」
安倍さんの妹であり、目の前の男の子の奥さんであると思われる女の子が、お兄ちゃんとよく似た顔の私にそう言ってきた。
それには何て言おうか悩んでしまって。
そしたら隣に座る青さんがゆっくりと頭だけを動かし、両腕の間から横目で私のことを見上げてきて・・・
「前に写真を見せた、俺のネコに似てるんじゃないかな?
この子、俺のネコの命とほぼ同じ命の子なんだよね。」
この女の子からしてみたらめちゃくちゃ意味不明でキモいとも思うようなことを言い出した青さんには慌ててしまう。
そしたら・・・
「凄~い、ノンノンの話以外では作ったように静かで穏やかな星野さんがそんなことを言ってる~!!
星野さんって、うちのラーメン屋でデートをしたいとまで言ってくれてる常連さんなんですよ!!
”あと40年とか50年、俺が爺さんになる頃までこの店を続けていて欲しい“って、“もしかしたら、俺が爺さんになったら呆けた婆さんをデートに連れてくるかもしれないから、その時は、呆けた婆さんでも記憶に残るくらい美味いラーメンを出して欲しい“って、そんな要望までくれちゃうくらいの常連さんで!!」
女の子が優しい優しい笑顔で続けてきた。
「”俺のことなんて何も覚えてなくても、”めちゃくちゃ美味いラーメンを食べたな“って、”その時に誰かが隣にいたかもしれない“って、それくらいで良いから、呆けた婆さんの記憶に残っていられると良いな“って、ビールまで飲み始める時はよく言っていて。
凄く嬉しそうに、でも凄く寂しそうにも見える顔でよく言っていて。」
テーブルに突っ伏したままの青さんの肩を女の子が何度も叩いた。
「こんなに格好良いのにうちでのデートはお爺さんになるまで諦めモードで、だいぶ拗らせてるオジサンかと心配してたけど良かったよぉ~!
呆けたお婆さんじゃなくて、こんなに可愛い女の子をデートに連れてこられましたね~!
良かった良かった~!!
注文どうします~?」
「俺はいつもので・・・。」
「ニンニク大丈夫ですか?」
女の子がまたそれを聞くと、青さんがゆっくりと身体を起こした。
「ニンニクが臭かったっていう記憶でも良いから、この子の記憶に残っていたいんだよね。」
「その見た目でどれだけ恋愛下手なんですか!!
絶対ニンニク臭くない方が良いのに!!
うちのラーメンが原因で振られたとかやめてくださいよ!?
・・・あの、お願いしますね?」
女の子が恐る恐る私に”お願い“をしてきて、それには微笑みだけを返しておいた。
「私は醤油ラーメンで。」
一美さんがいつも食べていたという醤油ラーメンを注文した私に、女の子はまたジィィィッと私のことを見詰めてきて。
さっきの返事を待っているのかと思ったら・・・
「もしかして、お姉さんがいますか?」
そんな質問をされ、それには普通に首を横に振った。
そんな私に女の子は不思議そうに首を傾げて。
「そっか・・・すみません。
私の兄のお相手の方に、雰囲気が何となく似ていて。
もしかしたら一美さんの・・・兄のお相手の妹さんなのかと思って。」
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