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それには私も普通に頷く。



「私もお兄ちゃんから高校に通うって聞いた時はビックリした。」



「短期間だったらしいけどな。」



「うん、そうだね。
その短期間で仕事は終わったから。」



「やっぱり仕事だったか。
・・・俺のこと関係ある?」



「青さんがお兄ちゃんと一緒にいなくなったのにここまで潔癖が残ってるなら、青さんのことも案件にしてたのかもね。
お兄ちゃんと出会ってから銀君も潔癖になった?」



「そうなんだよ、あいつが俺よりも潔癖になりだしたんだよ。
“お兄ちゃん”、俺のことを潔癖にするとかどんな仕事だよ!」



青さんが楽しそうに笑っているけれど、私は全然笑えない。



「何だよ?」



「お兄ちゃんはきっと“この未来”も予想してた・・・。
私が青さんの所にこの案件で拾われる“この未来”も予想してて、青さんが誰とも一緒に住めないし誰とも結婚出来ないような暗示と洗脳をしてた。」



「20代後半の男が男子高校生になってまで?」



「それは・・・お嬢様の案件で。」



「一平の妹?」



「うん・・・、お嬢様の好きな男の子の妹の案件・・・。」



「婚約者でも婚約者候補でもなく、“好きな男の子”かよ。
相変わらずお嬢様には甘々な男だな!!!
でも・・・」



青さんが言葉を切った後に優しい顔で笑った。



「“和希”は生まれた時から仕事だけの人生で、高校は夜間の定時制に通って・・・。
あまりにも恐ろしい奴だから俺もあいつのことは考えたことはなかったけど、“和希”も可哀想な奴だよな。」



青さんがお兄ちゃんのことを“和希”と呼んだ。



「加藤さんは“可哀想な子ども”を2人作った。」



「はい、本家の1人娘が愛した男の人が“ゆきのうえ商店街”出身の、“普通”より下くらいの“家”に生まれた人だったので。」



「分家の奴らが反乱を起こすことを予想した。」



「ちょうど時代も変わろうとしていた時でした。
昔のように情報の規制も出来ず、分家の人間達も外から色々な情報や“普通”の感覚を知ってしまう機会が増えていた。」



「その加藤さんが秘書として遣えている小関の”家”の娘が、“好きな男の子”かよ。」



「お嬢様はそれで良いんです。」



一美さんのことをバカにされたようで、私は青さんのことを睨むように見詰めた。



「うちのお嬢様はそれが良いんです。」



私のおマ◯コの中にある青さんのおちんちんが更に大きくなった気がしながらも、続ける。



「私のお兄ちゃんがお嬢様のことをそんなことが出来る女になる為の心を育てました。」



「一平は許されないだろ、そんなこと。」



「お嬢様だって普通だったら許されません。」



「じゃあ、何で・・・」



「だって、小関の“家”しか分家が機能していないから・・・。」



「分家なんてなくたって、秘書なんかいなくたってどうにでもなる。
あそこまでデカい組織だってそんなのがいなくてもちゃんと回るもんなんだよ。」



「青さんは分かってない・・・っ、全然分かってない・・・っっ」



私の手を繋いでくれている青さんから手を離し、その手で青さんのお腹を押した。



「増田財閥が背負っているものは財閥自体でも傘下の企業でもない、この国の未来です。」
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