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「いや・・・目は閉じてたけど一睡もしてない・・・。」



「してたしてた!!
めっっっっっちゃ爆睡してた!!!
昨日よりも大イビキかいてた!!!!」



「マジか・・・自分じゃ寝てない気がしてた・・・。」



青さんがそう呟いてきた。



寝付いた時と同じ体勢のままで。



私の胸の所に顔を埋めたままで・・・。



そのまま、両手で私の胸を揉んできて・・・。



ロングコートの上からだけど私の胸を”普通“に揉み揉みしてきて・・・。



「青さん、酔っ払ってないのに胸を揉んでるよ?」



「・・・マジだ、目の前に胸があったから無意識に揉んでた・・・。」



それでも胸を揉み続けている青さんには笑いながら、私は青さんの頭を見下ろした。



私の胸に顔を埋めながら胸を揉み揉み揉み揉みとしまくってくる青さんのことを見下ろし、いつもよりも良く回りそうな頭で閃いた。



”怖い“と思ってしまった答えが、閃いた。



”鎌田さん、お世話をしていたお姉様達の子ども達の誰かを好きになったの・・・?“



お世話をしていた子どもは全員男の子だったし、それに産まれたての赤ちゃんの時からお世話をしていた子達。
それは確かに”怖い“と思う話で、それが鎌田さんだと思わなければ”気持ち悪い“とも思うような話でもあって、それが正解だとしたら鎌田さんは凄く苦しんでいたはずで。



そして青さんもその話を聞いて、親友として凄く後悔はしたはずで。



だって、鎌田さんはよくしていた。



お姉様達からの”虐待“のような話だけではなく、若くして上の2人のお姉様達が産んだ子ども達の話を嬉しそうに、幸せそうにしていた。



”夜泣きなんてマジで大変でさ。
1人目の子なんて布団で何も寝ない子でさ。
何日も一睡もしないでひたすら抱っこをしながら夜泣きの対応をしたよ。“



”みんな俺の子どもなんだよね。“



”みんな、マジで俺の子どもだと思ってる。“



同時進行の彼女が何人もいた鎌田さんは何処かに出掛けるデートはしていなくて、ご飯とエッチをするデートばかりをしていた。
ご両親の美容室も手伝いつつ、生徒会もやりつつ、小関の”家“にもたまに顔を出してくれつつ、お姉様達からも奴隷にされ、その内容には赤ちゃんや子ども達の世話もあって。



多忙な鎌田さんはお姉様達の子ども達を”自分の子ども“だと言いながら、家事以外のことは鎌田さんがやっていて。



凄く嬉しそうに・・・



凄く、凄く幸せそうに・・・。



特に赤ちゃんや子ども達の世話については本当に幸せそうに話していて・・・。



鎌田さんはそんな話をよく話していて・・・。



いや・・・いや、“話していない“。



鎌田さんは”話していない“。



2人のお姉様達とご両親、赤ちゃんや子ども達の話ばかりが鎌田さん自らする話だった。
鎌田さんも青さんのように家族の話をよくしていた。



良いことも悪いことも沢山話していた。



沢山話していたのに、”話していない“。



よく・・・よく考えると、”話していない。“



「鎌田さん・・・1番下のお姉様のことが、好きだったの・・・?」



不自然なくらいに、1番下のお姉様のことを話題に出すことがなかったことに、今やっと気付いた。
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