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「ごめん・・・・・・っ」



青さんが唇を少し離し、私に謝罪の言葉を渡してきて・・・



渡してきたのに、また・・・



「・・・・・・っっ」



私にキスをしてきた。



深いキスをされ、絶対に酔っ払っているし“普通”ではない青さんにどう対応して良いのか分からず、これは“一緒に暮らしている中でのラッキースケベなのかな?”と思いながらもドキドキとしていると・・・



青さんの唇がまた私の唇から離れた。



「俺は・・・俺はさ、同じ家に異性の“ほぼ家族”がいるオイシイ状況なんて、我慢出来ない・・・。」



苦しそうにそんな言葉を吐き出してきた青さんは、革靴を脱ぐと勢い良く私の身体をヒョイッと担ぎ上げた。



「一緒に暮らし始めた初日で手を出したくらいの俺には到底理解出来ない・・・。」



小さな声でブツブツとそんなことを言った青さんは、私のことを担いだまま自分の寝室にズカズカと入っていき・・・



「・・・・・・ゎっ」



私のことを結構乱暴にベッドに寝かせると、私の身体の上に跨ってきた。



「青さん・・・どうしたの・・・?」



こんなに酔っ払ている男の人を私は今まで見たことがないし、そしてこんなに“普通”ではない青さんのことを私は見たことがない。



虚ろな目で私のことを見下ろす青さんに聞くと、青さんは大きく泣いた。



大きな片手で顔を覆い、大きく泣いた・・・。



「俺は幼馴染みどころか親友だと思ってたのに・・・・・っっ」



青さんがそう叫び・・・



「俺はあいつの親友なのに、俺は・・・」



言葉を切った青さんが、私の胸に勢い良く顔を埋めた。



「俺はあいつに最悪なことを言った・・・っっ、大昔に、俺は最悪なことを言った・・・・・っっっ」



「何を言っちゃったの?」



大きな大きな青さんの頭を少しだけ撫でながら聞いた。



「鎌田さんに、何を言っちゃったの?
“余計なコト”どころか“最悪なコト”なんて、どんなことを言ったのか知りたいから教えて?」



青さんの“親友”といったら鎌田さんしかいないはずなので鎌田さんの名前を出し、青さんにそう聞いた。



「最悪なこと・・・・っ、俺、マジで最悪なことをあいつに言った・・・・・っっ。
全然、ぜんっっっっぜん気付かなくて、俺・・・・・っっっ」



「うん。」



「俺ってそういうのは苦手なんだよ・・・・っっっ。
そういう系の嘘はマジで・・・そういう系の隠し事はマジで、俺自身が基本的にはやらないから全然気付けない・・・・・っっっ。
いつも言われた後に気付くんだよ・・・・っっ、”言われてみればあの時もあの時も、あの時も確かにそうだった“って・・・・・っっ」



「うん。」



「言われてみればそうだった・・・・っっ。
思い返してみたらマジでそうだった・・・・っっ。
あいつはいつもそうだった・・・・っっ。
いつも、いつもそうで・・・・っっ。」



「うん。」



「”気持ち悪い“って、言った・・・。
俺、あいつに”気持ち悪い“って・・・最悪なことを言った・・・。」



その言葉に、私は必死に考える。



「鎌田さん・・・青さんのことが男の人として好きだったの?
他の何人かの同級生達みたいに、”そういう好き“だったの?」
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