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それには一瞬だけ教室の中が静まり、数秒後には大きな笑いになった。
でも、その笑いの中でも沢山の声が聞こえてきた。
「本当に“ダメ秘書”っぽいな!!
最後のオチ、めっちゃ可愛かった!!」
「友達になろ~ね!!」
「派手にお尻ついたね!大丈夫!?」
中学の時にはなかった沢山の声が聞こえてくる中、私はしゃがみ続けたままお尻を撫でた。
「痛~い。」
そう言いながら、みんなのことを見ていく。
多くの子達が私に温かい目を向けているのを確認していく。
そんな子達ばかりだったから、すぐに気付いた。
私のことを凄く怒った顔で見ている1人の女の子に。
ピンクが混じったような茶色い髪の毛、その髪の毛を手の込んだ結び方にした、お化粧も制服の着崩し方も凄くお洒落な女の子。
自己紹介を始める前や話している途中は特に何でもない顔をしていたのに、今は何でかこんなにも怒った顔をしている女の子。
青さんが待ってくれていた校門、そこで青さんと一緒にいた時に校門をくぐって行った3人組のうちの1人の女の子。
男の子の方に身体を寄せながらも、スカートを履いた格好良い女の子を見上げながら恋をしている女の子のような顔をしていた女の子。
“マナリー”と呼ばれていた女の子が勢い良く、立ち上がった。
「全然笑えないんだけど。」
凄く凄く怒った声でそう言った“マナリー”の言葉に、教室中が怖いくらい静かになった。
そんな中で“マナリー”が早足で私の所まで歩いてきて。
そして、私のことを見下ろした。
「大丈夫?」
言葉とは違い、凄く怒った顔のままそう聞いてきて。
「立てる?」
ビックリして何も言えない私に“マナリー”は言ってきた。
何でか、顔を苦しそうに歪めながら言ってきた。
「あんなことを自己紹介で言うの緊張したでしょ。
みんなの自己紹介中、凄く苦しそうで泣きそうな顔をしてた。」
そう言って、私に手をゆっくりと・・・
ゆっくりと、差し出してきて・・・
「高校に着いた時、ソっちゃんがアナタのことを“凄く可愛い“って言ってたから、気になって見てた。」
そんな可愛い言葉と一緒に差し出された手を見て、私は自然と笑いながら”マナリー“の手を握った。
そしたら・・・
「・・・・・・ゎっ」
こんなに可愛くて、私と同じくらいの身体つきの女の子とは思えないくらいの力で引っ張られ、私はこんなにも簡単に立ち上がった。
「ありがとう・・・。」
ドキドキとながら”マナリー“にお礼を言った。
「うん。」
凄く凄く優しい顔で私に笑ってくれる”マナリー“を見て、こんなにも興奮している胸を一平さんの第2ボタンの上から片手でおさえた。
そしたら、聞こえた。
聞こえてきた・・・。
「あの子知ってる、間中理衣(まなか りい)。
レズらしいよ。」
「マジで?」
「うん、あの子と同じ中学の男子がさっき言ってた。」
「私もさっき女子が話してるの聞いた。
本当なんだ?」
「同じクラスとか怖いんだけど。
私そういうのナイからさ~。」
「私だってナイよ。」
「女の子同士とか有り得ないよね。
それは普通にキモいじゃん。」
「望ちゃん大丈夫かな、あの子めっちゃ可愛いし。」
そんな声が聞こえた瞬間、”マナリー“の力強い手が私の手からパッと離れた。
「余計なことをして、ごめんね。」
謝ったマナリーの顔は全然”ごめんね“という顔をしていなかった。
全然”可哀想“な顔をしていなかった。
凄く良い笑顔で笑っていた。
凄く凄く自信のある笑顔で笑っていた。
だから思わず、言ってしまった。
「いいな。」
そう、言ってしまった。
「私も恋をしてみたかったな。」
呟くように言った私に、”マナリー“が大きく笑った。
その、時・・・
「どうにかなるから大丈夫だろ。」
やけに響く、男の人の声がした。
でも、その笑いの中でも沢山の声が聞こえてきた。
「本当に“ダメ秘書”っぽいな!!
最後のオチ、めっちゃ可愛かった!!」
「友達になろ~ね!!」
「派手にお尻ついたね!大丈夫!?」
中学の時にはなかった沢山の声が聞こえてくる中、私はしゃがみ続けたままお尻を撫でた。
「痛~い。」
そう言いながら、みんなのことを見ていく。
多くの子達が私に温かい目を向けているのを確認していく。
そんな子達ばかりだったから、すぐに気付いた。
私のことを凄く怒った顔で見ている1人の女の子に。
ピンクが混じったような茶色い髪の毛、その髪の毛を手の込んだ結び方にした、お化粧も制服の着崩し方も凄くお洒落な女の子。
自己紹介を始める前や話している途中は特に何でもない顔をしていたのに、今は何でかこんなにも怒った顔をしている女の子。
青さんが待ってくれていた校門、そこで青さんと一緒にいた時に校門をくぐって行った3人組のうちの1人の女の子。
男の子の方に身体を寄せながらも、スカートを履いた格好良い女の子を見上げながら恋をしている女の子のような顔をしていた女の子。
“マナリー”と呼ばれていた女の子が勢い良く、立ち上がった。
「全然笑えないんだけど。」
凄く凄く怒った声でそう言った“マナリー”の言葉に、教室中が怖いくらい静かになった。
そんな中で“マナリー”が早足で私の所まで歩いてきて。
そして、私のことを見下ろした。
「大丈夫?」
言葉とは違い、凄く怒った顔のままそう聞いてきて。
「立てる?」
ビックリして何も言えない私に“マナリー”は言ってきた。
何でか、顔を苦しそうに歪めながら言ってきた。
「あんなことを自己紹介で言うの緊張したでしょ。
みんなの自己紹介中、凄く苦しそうで泣きそうな顔をしてた。」
そう言って、私に手をゆっくりと・・・
ゆっくりと、差し出してきて・・・
「高校に着いた時、ソっちゃんがアナタのことを“凄く可愛い“って言ってたから、気になって見てた。」
そんな可愛い言葉と一緒に差し出された手を見て、私は自然と笑いながら”マナリー“の手を握った。
そしたら・・・
「・・・・・・ゎっ」
こんなに可愛くて、私と同じくらいの身体つきの女の子とは思えないくらいの力で引っ張られ、私はこんなにも簡単に立ち上がった。
「ありがとう・・・。」
ドキドキとながら”マナリー“にお礼を言った。
「うん。」
凄く凄く優しい顔で私に笑ってくれる”マナリー“を見て、こんなにも興奮している胸を一平さんの第2ボタンの上から片手でおさえた。
そしたら、聞こえた。
聞こえてきた・・・。
「あの子知ってる、間中理衣(まなか りい)。
レズらしいよ。」
「マジで?」
「うん、あの子と同じ中学の男子がさっき言ってた。」
「私もさっき女子が話してるの聞いた。
本当なんだ?」
「同じクラスとか怖いんだけど。
私そういうのナイからさ~。」
「私だってナイよ。」
「女の子同士とか有り得ないよね。
それは普通にキモいじゃん。」
「望ちゃん大丈夫かな、あの子めっちゃ可愛いし。」
そんな声が聞こえた瞬間、”マナリー“の力強い手が私の手からパッと離れた。
「余計なことをして、ごめんね。」
謝ったマナリーの顔は全然”ごめんね“という顔をしていなかった。
全然”可哀想“な顔をしていなかった。
凄く良い笑顔で笑っていた。
凄く凄く自信のある笑顔で笑っていた。
だから思わず、言ってしまった。
「いいな。」
そう、言ってしまった。
「私も恋をしてみたかったな。」
呟くように言った私に、”マナリー“が大きく笑った。
その、時・・・
「どうにかなるから大丈夫だろ。」
やけに響く、男の人の声がした。
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