31 / 66
2
2-16
しおりを挟む
そんなことを言って、それには鎌田さんも一平さんも笑った。
「いや・・・っだって亜里沙汗なんてかいてなかったぞ!?
・・・え、全然気持ち良くなかったってことじゃねーか!!!
いやいや、そういえば暖房つけなかったからかも・・・。」
青さんが深刻そうな顔でブツブツと呟き、それには鎌田さんだけが大きく笑っている。
この話についてもお父さんとお兄ちゃんに報告をするけれど、きっと“様子見”なのだと分かる。
どんなに2人の“問題”を上げてもお父さんとお兄ちゃんは“様子見”だという結論を出してくる。
“一平さんも女の子とエッチがしたいって思ってるのかな”
“一平さんにも好きな女の子がいるのかな”
“一平さんはどんな女の子がタイプなのかな”
“少しでも・・・少しだけでも、私のことがタイプでいてくれると良いな・・・。”
「ほら!!こんな暖房がついてる部屋の中でダッフルコートを着たままの望も汗かいてねーだろ!?」
青さんが“可愛い”と、“似合っている”と言ってくれたダッフルコートを今日も脱ぐことが出来ていなかった私に青さんがそう言ってくる。
それにはダッフルコートを脱いで制服姿になった。
「私、脱ぐと凄いですよ?」
そう答えた私に青さんが片手を伸ばしてきた。
「どれ。」
そして、信じられないことに私のブラウスの胸元を引っ張り、上から覗いてきた。
「マジだ、女なのに汗かいてる!!」
「・・・・・・っっ!!?」
声も出せない私の顔を青さんが意地悪な顔で見た。
「色気のない顔すんなよ。」
それには凄くムカついて、なのに凄くドキドキとしてしまって、でも何でか悲しくもなって。
私は一平さんが座っている隣に急いで逃げた。
そんな私に一平さんは何も言わない。
何も言ってくれない。
「俺の“ほぼ妹”と“ほぼ友達”、やっぱペタンコだった!!」
「青、今のは普通に性的虐待とセクハラ。」
「は?じゃあどうやって確認するんだよ?」
「風呂から出てきた時とか。
夏だと風呂上がりは薄着だし。」
「はあ!?それを早く言えよ・・・!!!」
「言わなくても普通分かるでしょ。]
「わっっかんねーよ!!!
女きょうだいがいない俺には詳細を話してくれねーと理解出来ねーから!!!」
青さんが結構焦った顔で、そして少しだけ顔を赤くして私のことを見た。
「望、ごめんな!?」
青さんからの謝罪の気持ちと謝罪の言葉、そして青さんの焦った顔と赤くなった顔を見て私は頷いた。
私も少しだけ見ることが出来た気がして。
青さんが亜里沙さんとしたエッチの時の様子を。
“こんな感じだったのかな”
妄想でしかないけど、見ることが出来たような気がして。
そしたら、“嬉しい”と思った。
私は凄く“嬉しい”と思っている。
青さんにキスをして貰い、前戯というのがどんなことかの詳細は分からないけれど、青さんのおちんちんを私のおマ○コに入れて貰えたとしたら、私は凄く“嬉しい”と思うのだと分かった。
そんなことが分かった。
その“嬉しい”と思う相手は一平さんではないのに。
その相手は青さんなのに。
“ほぼお兄ちゃん”で“ほぼ友達”の青さんなのに。
「2回目もマジで緊張する・・・。
前の男と比べられてたら俺絶対無理たろ、昨日まで童貞だったし。」
青さんは亜里沙さんと2回目のエッチもするらしい。
それが分かり凄く“苦しい”と思った。
凄く凄く“苦しい”と思った。
でも、それでも私はここにいた。
青さんと一緒にいる時間は私にとって凄く大切な時間で。
青さんがいてくれるから私は大丈夫。
私はまだ頑張れる。
“ほぼお兄ちゃん”と“ほぼ友達”の青さんがいるから私はまだまだ頑張れる。
私はこの世界のこの“家”で、秘書として一平さんと一美さんの為にまだまだ頑張れる。
私は可哀想じゃない。
私は、やっぱり可哀想じゃない。
だってこんなに笑えている。
私はこんなにも笑えている。
オナラが出ちゃうくらい笑えている。
だから・・・
だから今日も私は・・・
きっと異性として好きになってしまった青さんから、逃げない。
私の”家“のことを、私のことを理解してくれている”ほぼお兄さん“で”ほぼ友達”の青さんとも結ばれる未来なんてないけど、私は逃げない。
青さんの傍にいられるのなら、私はもう何でも良いとまで思う。
これ以上の望みはない。
これ以上の望みを持ってはいけない。
良かった、私自身の幸せは求めなくて良い人生で。
だから私は青さんの傍から逃げずにいられる。
きっと、ずっと一緒にいられる。
ずっとずっと一緒に、私は青さんともこうしていたい。
そう思いながら、一平さんの隣から青さんのことを笑いながら眺め続けた。
青さん”も“いてくれるのなら、私は”秘書“でいられる。
どんなに苦しくても、悲しくても、虚しくても、私は”秘書“でいることから逃げようとすることはもうきっとない。
「なんたこのケーキ、まず・・・。」
「あ、それは一平さんが甘い物が苦手だからそう作っているケーキで。
・・・不味いですか?
一平さんは食べやすいって言ってくれてるし、お嬢様は美味しいって言ってくれてるんですけど・・・。」
「めっちゃ不味い。
こんな不味いケーキ初めて食べた。」
「そんなに不味いなら残してください。」
「俺はお坊ちゃんじゃねーからな、出された物は全部食べるんだよ・・・っまず・・・っっ」
青さんはやっぱり意地悪で。
「ここまで不味くても望が作ったケーキならマヨネーズもかけずに食べてやるよ。」
やっぱり、凄く優しい人だと思うから。
”家“が育てた愛ではなく、私自身が好きなった人だから。
”私は青さんのことが男の人として好きです。“
今日初めてハッキリと心に浮かんだ気持ちを、心の奥底に大切に大切に沈めていった。
「いや・・・っだって亜里沙汗なんてかいてなかったぞ!?
・・・え、全然気持ち良くなかったってことじゃねーか!!!
いやいや、そういえば暖房つけなかったからかも・・・。」
青さんが深刻そうな顔でブツブツと呟き、それには鎌田さんだけが大きく笑っている。
この話についてもお父さんとお兄ちゃんに報告をするけれど、きっと“様子見”なのだと分かる。
どんなに2人の“問題”を上げてもお父さんとお兄ちゃんは“様子見”だという結論を出してくる。
“一平さんも女の子とエッチがしたいって思ってるのかな”
“一平さんにも好きな女の子がいるのかな”
“一平さんはどんな女の子がタイプなのかな”
“少しでも・・・少しだけでも、私のことがタイプでいてくれると良いな・・・。”
「ほら!!こんな暖房がついてる部屋の中でダッフルコートを着たままの望も汗かいてねーだろ!?」
青さんが“可愛い”と、“似合っている”と言ってくれたダッフルコートを今日も脱ぐことが出来ていなかった私に青さんがそう言ってくる。
それにはダッフルコートを脱いで制服姿になった。
「私、脱ぐと凄いですよ?」
そう答えた私に青さんが片手を伸ばしてきた。
「どれ。」
そして、信じられないことに私のブラウスの胸元を引っ張り、上から覗いてきた。
「マジだ、女なのに汗かいてる!!」
「・・・・・・っっ!!?」
声も出せない私の顔を青さんが意地悪な顔で見た。
「色気のない顔すんなよ。」
それには凄くムカついて、なのに凄くドキドキとしてしまって、でも何でか悲しくもなって。
私は一平さんが座っている隣に急いで逃げた。
そんな私に一平さんは何も言わない。
何も言ってくれない。
「俺の“ほぼ妹”と“ほぼ友達”、やっぱペタンコだった!!」
「青、今のは普通に性的虐待とセクハラ。」
「は?じゃあどうやって確認するんだよ?」
「風呂から出てきた時とか。
夏だと風呂上がりは薄着だし。」
「はあ!?それを早く言えよ・・・!!!」
「言わなくても普通分かるでしょ。]
「わっっかんねーよ!!!
女きょうだいがいない俺には詳細を話してくれねーと理解出来ねーから!!!」
青さんが結構焦った顔で、そして少しだけ顔を赤くして私のことを見た。
「望、ごめんな!?」
青さんからの謝罪の気持ちと謝罪の言葉、そして青さんの焦った顔と赤くなった顔を見て私は頷いた。
私も少しだけ見ることが出来た気がして。
青さんが亜里沙さんとしたエッチの時の様子を。
“こんな感じだったのかな”
妄想でしかないけど、見ることが出来たような気がして。
そしたら、“嬉しい”と思った。
私は凄く“嬉しい”と思っている。
青さんにキスをして貰い、前戯というのがどんなことかの詳細は分からないけれど、青さんのおちんちんを私のおマ○コに入れて貰えたとしたら、私は凄く“嬉しい”と思うのだと分かった。
そんなことが分かった。
その“嬉しい”と思う相手は一平さんではないのに。
その相手は青さんなのに。
“ほぼお兄ちゃん”で“ほぼ友達”の青さんなのに。
「2回目もマジで緊張する・・・。
前の男と比べられてたら俺絶対無理たろ、昨日まで童貞だったし。」
青さんは亜里沙さんと2回目のエッチもするらしい。
それが分かり凄く“苦しい”と思った。
凄く凄く“苦しい”と思った。
でも、それでも私はここにいた。
青さんと一緒にいる時間は私にとって凄く大切な時間で。
青さんがいてくれるから私は大丈夫。
私はまだ頑張れる。
“ほぼお兄ちゃん”と“ほぼ友達”の青さんがいるから私はまだまだ頑張れる。
私はこの世界のこの“家”で、秘書として一平さんと一美さんの為にまだまだ頑張れる。
私は可哀想じゃない。
私は、やっぱり可哀想じゃない。
だってこんなに笑えている。
私はこんなにも笑えている。
オナラが出ちゃうくらい笑えている。
だから・・・
だから今日も私は・・・
きっと異性として好きになってしまった青さんから、逃げない。
私の”家“のことを、私のことを理解してくれている”ほぼお兄さん“で”ほぼ友達”の青さんとも結ばれる未来なんてないけど、私は逃げない。
青さんの傍にいられるのなら、私はもう何でも良いとまで思う。
これ以上の望みはない。
これ以上の望みを持ってはいけない。
良かった、私自身の幸せは求めなくて良い人生で。
だから私は青さんの傍から逃げずにいられる。
きっと、ずっと一緒にいられる。
ずっとずっと一緒に、私は青さんともこうしていたい。
そう思いながら、一平さんの隣から青さんのことを笑いながら眺め続けた。
青さん”も“いてくれるのなら、私は”秘書“でいられる。
どんなに苦しくても、悲しくても、虚しくても、私は”秘書“でいることから逃げようとすることはもうきっとない。
「なんたこのケーキ、まず・・・。」
「あ、それは一平さんが甘い物が苦手だからそう作っているケーキで。
・・・不味いですか?
一平さんは食べやすいって言ってくれてるし、お嬢様は美味しいって言ってくれてるんですけど・・・。」
「めっちゃ不味い。
こんな不味いケーキ初めて食べた。」
「そんなに不味いなら残してください。」
「俺はお坊ちゃんじゃねーからな、出された物は全部食べるんだよ・・・っまず・・・っっ」
青さんはやっぱり意地悪で。
「ここまで不味くても望が作ったケーキならマヨネーズもかけずに食べてやるよ。」
やっぱり、凄く優しい人だと思うから。
”家“が育てた愛ではなく、私自身が好きなった人だから。
”私は青さんのことが男の人として好きです。“
今日初めてハッキリと心に浮かんだ気持ちを、心の奥底に大切に大切に沈めていった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる