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12月26日  夜



「おま・・・・っっお前、今の屁ぇヤバい・・・・っっ!!!
スタンダードな屁でもなく今の何だよ・・・っっ!!!
毒沼みたいな音してただろ・・・っっ!!!」



「まって・・・も、ムリ・・・っっ笑わせないで・・・・・っっまたオナラでちゃ・・・っっ毒沼って・・・・っっ」



今日もバイトが終わった後に家に夜ご飯を食べに来た青さん。
今日は鎌田さんもお父さんが経営している美容院のお手伝いをした後にこの家にやってきた。
リビングではなく一平さんの部屋で3人で、私は今日も青さんの隣に座って夜ご飯を食べていく。



一平さんと青さんと鎌田さんは小関の“家”のメニューを。
私は加藤の“家”のメニューを。



「だって、お前・・・っっ俺の飯物欲しそうに見てるから、何食いたいのか聞いたらハンバーグって・・・っっ!!
メインだろ・・・っっやるわけねーだろ!!!」



「一口くらいいいじゃん・・・っっ!!
期待させておいて一気に突き落とすとか・・・っっ予想外すぎて・・・っっ。
それに私が言った瞬間にマヨネーズかけまくるとか・・・・・っあ。」



「また屁ぇこくなよ・・・・っっ!!!
女だから屁ぇこかないだろ・・・・っっ!!?
それに俺はマヨラーなんだよ!!」



「女だってオナラするし・・・!!」



「鎌田、女はオナラなんてしねーよな?」



「俺も聞いたことないかな。」



「ほら!!!な?」



「まって・・・・っそんなドヤ顔ヤバい・・・っっ!!
女だって人間だからオナラだってするしおしっこだってするしウンチもするに決まってるじゃん・・・!!!」



「いや、しねーよ!!!
なあ?小関!!巨乳好きの小関!!」



青さんのそんな言葉には驚き、一平さんのことを見た。
そしたら一平さんは凄く焦った顔をしていて。



「・・・あれはそういう意味で言ったんじゃなくて・・・っっ」



話に加わらないと言っていた一平さんは“あ。”という表情をした後に口を閉じた。



「この“家”マジですげーよな!!
妹とほとんど会わないし喋らないとか!!
俺には理解出来ない!!
・・・でも、胸がデカくなってきた妹の胸がどんな感じなのかは気になるとかこの前遂に白状して、小関もチ○コついてる普通の男だったな、やっぱり!!」



その話には私の方が焦る。
昔、分家の“家”のきょうだいで子どもが出来るようなことをしてしまった“家”がある。
この“普通”ではない“家”を本当の意味で理解し合えるのはどうしてもきょうだいになってしまう。



だから一平さんと一美さんの部屋は遠くに離されている。
お互いに身体を見せることは“いけないコト”とされている。



凄く焦った私に声を掛けたのは鎌田さんだった。



「結構普通のことだよね、俺もお姉様の胸とか見えたら普通に確認はするし。」



「そうなんですか・・・?」



「うん、だって自分の身体とは違うから普通に見ちゃうよね。
どんな感じなのかなって、“今日の天気何かな”くらいのノリで。」



「あのお姉様達の胸をか・・・!?
マジかよ、女きょうだいすげーな!!!」



青さんがそう叫んだ後、私のことをパッと見てきた。
私の顔ではなくダッフルコートの胸らへんの位置を。



思わず両手でそこを隠した私に青さんは意地悪な顔で笑った。



「そんなペタンコな胸なんて確認しても意味ねーよ!!」



「酷い・・・!!
お母さんのおっぱいは大きいから私だって成長する見込みはあるもん!!」



ムキになって言った私に、青さんはまだ意地悪な顔で笑っている。



そして・・・



「亜里沙はあんまなかったから巨乳を拝んでみたい願望はまだある。」



青さんがそう言った。



昨日はクリスマスだった。



青さんと亜里沙さんのクリスマスデートの日だった。



「亜里沙ちゃん痩せてるしね。
痩せてるのに胸も大きな子ってあんまいないよ。」



「マジか。
グラビアとかのアレは作り物なのか・・・。
望の母ちゃん痩せてる?」



「今はぽっちゃりしてるけど・・・。」



「なら、それ肉だろ!!」



「昔は痩せてたよ?」



「昔も巨乳だった?」



「それは知らないけど・・・。」



私の返事に青さんはまた意地悪な顔で笑い、それから急に深刻な顔になった。



何かと思っていると・・・



「今後の生徒会は上手くいかねーかもしれない。」



急にそんな話を切り出した。



「亜里沙ちゃん?」



鎌田さんの質問に青さんは机に項垂れた。



「なんか、期待がデカすぎて思ったより全然気持ち良くなかった。」



「亜里沙ちゃんも初めてならお互いにそんなもんだろ。」



「いや・・・」



青さんがゆっくりと鎌田さんの方を向いた。



「処女じゃなかった。」



「そうなんだ?・・・うん、まあ高2だしね。
青、そんなに処女に拘ってたっけ?」



「いや、そんなことはないけどそれが最初の段階で分かってからめちゃくちゃ緊張して。」



「そうだとしても青は初めてだったし協力して貰えるから良いのに・・・・って、望ちゃんいるのにこんな話はよそう。」



「いや、望は俺の“ほぼ妹”で“ほぼ友達”だから大丈夫。」



私ではなく青さんがそう答えた。



そして亜里沙さんとの初体験の話をしていた時よりも真面目な顔で私に言った。



「だからまだここにいろよ?」



ここにいることが凄く苦しくなっていたけれど、私は頷いた。



青さんの傍にいたいと思っていることに気付いて私は逃げずに頷いた。



「キスも前戯も上手く出来てるか不安しかなかった。
挿れた後については“こんなもんか感”が強すぎたし・・・」



青さんが言葉を切った後に不機嫌な顔になった。



「なにより、亜里沙の部屋の扉の外から犬が吠えまくってて終始煩くてめちゃくちゃイラついた。
“家の奴”いるじゃねーかよ、亜里沙のやつ嘘つきやがって。」



「亜里沙ちゃんも青とやりたかったんでしょ、可愛い嘘じゃん。」



「そうか?
俺はなんか怖くなってきた・・・。」



「何が?」



「女って嘘とか演技とか普通にするらしいじゃん・・・。
俺のセックス、本当のところどうだったか怖くなってきた。」



「ちゃんと濡れてたんでしょ?」



「それは・・・たぶん。」



「それならまぁ大丈夫だろ、初回からそんな汗だくになるくらいイかせられなくても普通だし。」



鎌田さんの言葉に青さんは首を傾げた。



大真面目な顔で首を傾げて・・・



「女って汗かくのか?」




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