【完】ロリコンエロ親父(法務部長)から、ヘソ曲がりのおヘソを探されることになった※ロリコンではありません

Bu-cha

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「樹里・・・?」



“一生デートが出来ない”
それは、俺と・・・?
付き合っても、ないから・・・?
俺は・・・樹里とは、付き合えないから?



俺の心臓はやっぱり問題がある。
最近は苦しくなってばかりいる。



そんなことを考えていたら、樹里が笑った。
全然笑えていないのに、また笑っていた。




そして・・・




「樹里は、“女の子”になれない・・・。」



「樹里は“女の子”だろ?」



「樹里は、“女の子”じゃない。
だって、男の子の格好してる・・・。」




その言葉に、俺の心臓はバクバクと騒ぎだした。
俺は・・・思っていたから。
あの“グレーゾーン”の格好の樹里は、“女”でもないと思っていたから。



だから、心のどこかで安心もしていた。
樹里が“女”でもないから、“樹里とは付き合えない”と・・・。
俺は、そう思っていたのだと・・・
今、樹里の言葉で、やっと気付いた・・・。



樹里は“目”が良いから、きっと気付いていた。
俺が誰よりもあの格好を、“グレーゾーン”という“変”な見方をしていたのを・・・。
樹里は、気付いていた・・・。




両手を握り締め、樹里に伝える・・・。




「どんな格好してても、樹里は可愛いよ。」




そんな、いつもの台詞しか出てこなかった・・・。




「それでも、樹里は・・・“女の子”じゃない!!」




それには、俺も何も言えない・・・。
ある意味“口”で仕事もしている俺でも、何も言えなかった。




樹里の目に、どんどん涙が溜まっていく。




何か、何か、伝えなければ・・・




離れてしまう・・・。




樹里が、離れてしまう・・・。




付き合わずに、いたのに・・・。




どんなに、樹里が可愛く告白してくれても・・・




“グレーゾーン”の格好だったとしても、樹里は可愛いから・・・




そんな樹里が・・・




告白してくれても・・・




俺は、付き合わなかった・・・。





樹里は、どんな気持ちであの言葉を言っていたんだろう。
俺に“女の子”だと見られていないのを分かっていて・・・。
どんな気持ちで、いつもあの言葉を言っていたんだろう・・・。




そんなことも分からなかった俺には、元々権利なんてなかったらしい。




樹里と“赤い糸”で繋がる権利が、最初からなかった・・・。




元々、俺にはそんな権利がなかったんだ・・・。





そう思った時、樹里が俺を見ながら・・・





叫ぶように言葉を吐き出した・・・。















「女の子の格好が、出来なかったの・・・っっ!!」
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