【完】ロリコンエロ親父(法務部長)から、ヘソ曲がりのおヘソを探されることになった※ロリコンではありません

Bu-cha

文字の大きさ
上 下
283 / 362
6

6-30

しおりを挟む
「おっはよう!シズハちゃん!」  

 朝、身支度を済ませて自室の扉を開けると、満面の笑みを浮かべた僧侶の女性が私を出迎えていた。さらりとした銀色の長い髪と豊満なバストが印象的な美しい年上の僧侶だ。

「…何してんの?」

 朝っぱらからテンションの高い人の相手は人生で苦手な行動トップ10に入る私は苦い顔で尋ねた。
「お誘いに来たの!一緒に朝ごはんをたべたいからね」
「…ええ…?」
 めっちゃニコニコしている。
「…あなた、私が何をしたかわかってるの?」
「ええ。私の胸に手刀で風穴を開けて殺した」
 ニコニコしたままはっきりと答えた。どんな話題にもニコニコしていて胡散臭い。

 この僧侶――メイリスという女性と出会ったのは一か月前のペスタ地方での任務の時である。彼女の言う通り私は任務の邪魔をしてきた冒険者の彼女を思いっきり殺した。否、殺したはずだった。
 実はメイリスは二百年ほど前に死亡していたアンデッドだったのである。かつて、ペスタ王国の騎士だったメイリスはとある策略によって命を落としかけたところを禁断魔法とやらでつなぎ止められ、二百年もの歳月をかけてアンデッドとしてよみがえったらしい。彼女はその正体を隠しながら冒険者ギルドで僧侶として活動を開始。そして、私に身体を回収されたことをきっかけにこの魔王軍に鞍替えするということになったのだ。どういうことだよ。

「…てか、あなたペスタにいたんじゃなかったの?」
「あの支部長さんにお願いして異動させてもらったの。身体は一通り診てもらったし、魔王様に正式な契約書も出さなきゃならないし。会いたい顔もいるからね」
「会いたい顔?」
「そう。あなたよ」
 そう告げたメイリスは私の鼻の頭に指を突き付けた。
「私ぃ?というか、冒険者の人間がよくまぁ魔族だらけのとこに来ようと思ったわね」
「あら、私は二百年も前から人間やめてるアンデッドなのよ?つまりは魔族の仲間。魔王城ここにいる方がむしろ自然じゃない?」
「ぐ、ぐぅ…」
 ぐうの音しか出なかった。
「それに、昔から興味があったのよ。人間の敵である魔族がどんな暮らしをしてるのかね。そうしたら、こんなにも皆和やかで至れり尽くせりで居心地がいいんだもの。驚いたわ」
 魔王軍こんなところが居心地いいだなんて。ギルドとやらがどんなところか知らないけどとんだ適応力を持ってるのね。
「おまけに、こんなかわいい娘が魔勇者なんてやってるんだもの。ますます興味がわいちゃうわ」
 そう言いながらメイリスは私の頬に手を当てた。
「ちょっ!何触ってんのよ!」
 ヒヤッとした感覚に驚いて私は思いきり払いのけた。
「あら?そんなに冷たかった?」
 人間の体温がまるで感じられなかった。やはりアンデッドだ。
「ごめんね。冷え性で」
「冷え性って…あなたアンデッドでしょうが」
「そうだったわね。てへ」
 メイリスはわざとらしく舌を出した。小粋なアンデッドジョークのつもりなのだろう。
「さあさあ。早く朝ご飯食べに行きましょ!今朝のオススメはベーコンエッグマフィンですって!」
「あ!ちょっと!」
 メイリスは私の手を掴み、強引に引っ張っていった。強引系陽キャだ。マジ苦手なタイプだ。手は冷たいし。

 まったく、朝から面倒なことになったものだわ。最近、胸やけがひどいし。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

鬼上官と、深夜のオフィス

99
恋愛
「このままでは女としての潤いがないまま、生涯を終えてしまうのではないか。」 間もなく30歳となる私は、そんな焦燥感に駆られて婚活アプリを使ってデートの約束を取り付けた。 けれどある日の残業中、アプリを操作しているところを会社の同僚の「鬼上官」こと佐久間君に見られてしまい……? 「婚活アプリで相手を探すくらいだったら、俺を相手にすりゃいい話じゃないですか。」 鬼上官な同僚に翻弄される、深夜のオフィスでの出来事。 ※性的な事柄をモチーフとしていますが その描写は薄いです。

婚約者が巨乳好きだと知ったので、お義兄様に胸を大きくしてもらいます。

恋愛
可憐な見た目とは裏腹に、突っ走りがちな令嬢のパトリシア。婚約者のフィリップが、巨乳じゃないと女として見れない、と話しているのを聞いてしまう。 パトリシアは、小さい頃に両親を亡くし、母の弟である伯爵家で、本当の娘の様に育てられた。お世話になった家族の為にも、幸せな結婚生活を送らねばならないと、兄の様に慕っているアレックスに、あるお願いをしに行く。

イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。

すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。 そこで私は一人の男の人と出会う。 「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」 そんな言葉をかけてきた彼。 でも私には秘密があった。 「キミ・・・目が・・?」 「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」 ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。 「お願いだから俺を好きになって・・・。」 その言葉を聞いてお付き合いが始まる。 「やぁぁっ・・!」 「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」 激しくなっていく夜の生活。 私の身はもつの!? ※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 では、お楽しみください。

ドSでキュートな後輩においしくいただかれちゃいました!?

春音優月
恋愛
いつも失敗ばかりの美優は、少し前まで同じ部署だった四つ年下のドSな後輩のことが苦手だった。いつも辛辣なことばかり言われるし、なんだか完璧過ぎて隙がないし、後輩なのに美優よりも早く出世しそうだったから。 しかし、そんなドSな後輩が美優の仕事を手伝うために自宅にくることになり、さらにはずっと好きだったと告白されて———。 美優は彼のことを恋愛対象として見たことは一度もなかったはずなのに、意外とキュートな一面のある後輩になんだか絆されてしまって……? 2021.08.13

Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~

汐埼ゆたか
恋愛
絶え間なく溢れ出る涙は彼の唇に吸い取られ 慟哭だけが薄暗い部屋に沈んでいく。    その夜、彼女の絶望と悲しみをすくい取ったのは 仕事上でしか接点のない上司だった。 思っていることを口にするのが苦手 地味で大人しい司書 木ノ下 千紗子 (きのした ちさこ) (24)      × 真面目で優しい千紗子の上司 知的で容姿端麗な課長 雨宮 一彰 (あまみや かずあき) (29) 胸を締め付ける切ない想いを 抱えているのはいったいどちらなのか——— 「叫んでも暴れてもいい、全部受け止めるから」 「君が笑っていられるなら、自分の気持ちなんてどうでもいい」 「その可愛い笑顔が戻るなら、俺は何でも出来そうだよ」 真摯でひたむきな愛が、傷付いた心を癒していく。 ********** ►Attention ※他サイトからの転載(2018/11に書き上げたものです) ※表紙は「かんたん表紙メーカー2」様で作りました。 ※※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

なし崩しの夜

春密まつり
恋愛
朝起きると栞は見知らぬベッドの上にいた。 さらに、隣には嫌いな男、悠介が眠っていた。 彼は昨晩、栞と抱き合ったと告げる。 信じられない、嘘だと責める栞に彼は不敵に微笑み、オフィスにも関わらず身体を求めてくる。 つい流されそうになるが、栞は覚悟を決めて彼を試すことにした。

処理中です...