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「随分と大きな弁護士事務所と会計事務所の方にお願いされたんですね?」
お店の中の机に椅子が5つ置かれ、その席に男5人が座っている。
そんな中、三枝弁護士が嫌味っぽい言い方で成田さんに話し掛けた。
近藤礼二は・・・机に並べた名刺を見て、何かを考えているような顔をまだしていた。
俺は奥さんが置いてくれた冷たいお茶を飲む・・・旨いお茶だった。
母親が唯一、お茶をいれるのにうるさい人だった。
妹はどんなに教えてもさっぱり出来なかったが、きっちり俺がいれると母親と同じように旨いお茶になった。
奥さんも70歳くらいだが、成田さんの後ろ・・・でも少し離れた所に立ち、メモ用紙とペンを持って真剣な顔でいる。
成田さんが持ってきた資料。
そこには、付箋がいくつか貼ってありメモが書いていてあった。
それは誰かに見せるような物ではなく、自分で確認するような物で・・・。
成田さんの字ではなかったので、奥さんの字かもしれない。
決算書の説明や学校からの受注の詳細も成田さんはよく分かっていなかった。
“帰ったら奥さんに確認する”が何度も出ていたので、店の経営自体は奥さんがしているのだと思った。
成田さんは今日もTシャツと履き古したデニム、運動靴はボロボロだった。
奥さんは少し小綺麗な格好をしているが、それでも年季が入っているように見える。
それに・・・やっぱり古い運動靴を履いていた。
決算期に売上は結構あるが、翌期にはバッティングセンターの修繕や新しい商品もよく入荷していて、自分達の給料は最低限だった。
訪れる人達のために、成田さん夫婦はこの店を守っているように思う。
お店の中の机に椅子が5つ置かれ、その席に男5人が座っている。
そんな中、三枝弁護士が嫌味っぽい言い方で成田さんに話し掛けた。
近藤礼二は・・・机に並べた名刺を見て、何かを考えているような顔をまだしていた。
俺は奥さんが置いてくれた冷たいお茶を飲む・・・旨いお茶だった。
母親が唯一、お茶をいれるのにうるさい人だった。
妹はどんなに教えてもさっぱり出来なかったが、きっちり俺がいれると母親と同じように旨いお茶になった。
奥さんも70歳くらいだが、成田さんの後ろ・・・でも少し離れた所に立ち、メモ用紙とペンを持って真剣な顔でいる。
成田さんが持ってきた資料。
そこには、付箋がいくつか貼ってありメモが書いていてあった。
それは誰かに見せるような物ではなく、自分で確認するような物で・・・。
成田さんの字ではなかったので、奥さんの字かもしれない。
決算書の説明や学校からの受注の詳細も成田さんはよく分かっていなかった。
“帰ったら奥さんに確認する”が何度も出ていたので、店の経営自体は奥さんがしているのだと思った。
成田さんは今日もTシャツと履き古したデニム、運動靴はボロボロだった。
奥さんは少し小綺麗な格好をしているが、それでも年季が入っているように見える。
それに・・・やっぱり古い運動靴を履いていた。
決算期に売上は結構あるが、翌期にはバッティングセンターの修繕や新しい商品もよく入荷していて、自分達の給料は最低限だった。
訪れる人達のために、成田さん夫婦はこの店を守っているように思う。
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