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第50話 取材の翌日
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取材の翌日、カズミはアルバイトに行ったが、美沙希は身体の芯から疲れ果てて、ベッドに横たわっていた。
午前7時に目覚めて、朝食は食べた。
父は出勤した。家の中でひとりきりになると、ベッドへダイブ。眠気はないが、横たわって身体を休めた。
昨日の取材は本当に疲れた。
技を出し切り、数釣りに徹した。
10匹のバスを手にして、結果を出したが、心も身体も疲れ果てた。
カズミが協力してくれたことは理解している。
彼女は得意のライトリグを封印し、ハードルアーを使った。美沙希の邪魔をしないためであることは明白だ。
美沙希は相棒に心から感謝していた。
ベッドに横たわって天井を見ると、カズミの面影が心を占めた。
あの子は私のなんなのだろう?
友だち……。
それは確かだが、それだけでは言い表せない近しい関係だと思う。
親友……。
たぶんまちがってはいないが、ちょっとちがう気がする。
恋人……?
そこまでの関係ではない。
キスはしたけどさ。
愛の告白はしていないし、受けてもいない。
おそらく、あの子は私を性的に好きなんだろうな……。
カズミが同性愛者であることを美沙希は察している。
あの子は恋をしている。
その対象はたぶん同性である私……。
そういう目で私を見ている。
でも私は自分が異性愛者か同性愛者か両性愛者かわからない。
カズミを愛しているかどうかもわからない。
好きなことは確かだ。
だけど恋愛対象かと訊かれると……?
正午ごろ、カズミから電話がかかってきた。
「今度の土曜日の夜、予定はある?」と訊かれた。
「何もない」
「花火大会を見に行かない?」
「行く」と即答した。
「夕方5時に迎えに行くよ。待っててね」
「わかった」
毎年、8月中旬の土曜日の夜に、水郷イタコ花火大会が開催される。
キタトネ川の船上から5000発の花火が打ち上げられる。
観客はキタトネ川岸に細長くつづく水郷ホクサイ公園から花火を見上げる。もちろん他の場所からも見れるが、公式の会場はホクサイ公園とされている。
花火大会に一緒に行ったカップルは、末長く結ばれるという噂がある。
カップルは異性とは限らない。
同性でもふたりならカップルだ。
ほとんどのイタコ市民がその噂を知っている。
ふたりで一緒に花火大会へ行くとはそういう意味だ。
誘うのは、告白に近い行為……。
受けるのは、愛を受け入れるのに近い行為……。
美沙希は首を振った。
どんなに近い行為でも、告白そのものではない。
カズミは私のなんなのか?
親友か恋人か?
どんなに考えても、結論は出なかった……。
午前7時に目覚めて、朝食は食べた。
父は出勤した。家の中でひとりきりになると、ベッドへダイブ。眠気はないが、横たわって身体を休めた。
昨日の取材は本当に疲れた。
技を出し切り、数釣りに徹した。
10匹のバスを手にして、結果を出したが、心も身体も疲れ果てた。
カズミが協力してくれたことは理解している。
彼女は得意のライトリグを封印し、ハードルアーを使った。美沙希の邪魔をしないためであることは明白だ。
美沙希は相棒に心から感謝していた。
ベッドに横たわって天井を見ると、カズミの面影が心を占めた。
あの子は私のなんなのだろう?
友だち……。
それは確かだが、それだけでは言い表せない近しい関係だと思う。
親友……。
たぶんまちがってはいないが、ちょっとちがう気がする。
恋人……?
そこまでの関係ではない。
キスはしたけどさ。
愛の告白はしていないし、受けてもいない。
おそらく、あの子は私を性的に好きなんだろうな……。
カズミが同性愛者であることを美沙希は察している。
あの子は恋をしている。
その対象はたぶん同性である私……。
そういう目で私を見ている。
でも私は自分が異性愛者か同性愛者か両性愛者かわからない。
カズミを愛しているかどうかもわからない。
好きなことは確かだ。
だけど恋愛対象かと訊かれると……?
正午ごろ、カズミから電話がかかってきた。
「今度の土曜日の夜、予定はある?」と訊かれた。
「何もない」
「花火大会を見に行かない?」
「行く」と即答した。
「夕方5時に迎えに行くよ。待っててね」
「わかった」
毎年、8月中旬の土曜日の夜に、水郷イタコ花火大会が開催される。
キタトネ川の船上から5000発の花火が打ち上げられる。
観客はキタトネ川岸に細長くつづく水郷ホクサイ公園から花火を見上げる。もちろん他の場所からも見れるが、公式の会場はホクサイ公園とされている。
花火大会に一緒に行ったカップルは、末長く結ばれるという噂がある。
カップルは異性とは限らない。
同性でもふたりならカップルだ。
ほとんどのイタコ市民がその噂を知っている。
ふたりで一緒に花火大会へ行くとはそういう意味だ。
誘うのは、告白に近い行為……。
受けるのは、愛を受け入れるのに近い行為……。
美沙希は首を振った。
どんなに近い行為でも、告白そのものではない。
カズミは私のなんなのか?
親友か恋人か?
どんなに考えても、結論は出なかった……。
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