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眉毛の家出
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ある朝僕は鏡を見て驚いた。
眉毛が家出していたのである。正確には顔出と言うべきか。
眉毛がどこにも見当たらない。剃ったわけではない。どこかへ消えてしまったのだ。
困ったが、会社へ行かなければならない。
課長に怒られた。
「おまえ、眉毛を剃ったのか? 我が社の社員らしく、きちんとした格好をしろ!」
「いや、これは剃ったのではなく、眉毛がどこかへ家出してしまったんです……」
「下手な冗談はやめろ!」
女性社員がクスクスと笑っていた。
次の日僕は鏡を見てまた驚いた。
眉毛が口髭の部分に帰ってきていたのだ。
困ったが、会社へ行かなければならない。
課長に怒られた。
「おまえ、眉毛を剃るばかりでなく、髭なんて生やしたのか? 我が社の社員として、きちんとした格好をしろと言ったはずだ!」
「いや、この髭は眉毛なんです……」
「おまえ、私を馬鹿にしているのか?」
女性社員がまたクスクスと笑った。
その次の日僕は鏡を見て安心した。
眉毛が元の位置に帰っていたのだ。
僕はほっとして会社へ行った。
課長の眉毛がなくなっていて驚いた。
「課長、眉毛を剃ったんですか? 我が社の管理職として、よいのでしょうか?」
「いや、これは剃ったんじゃないんだ……」
わかっていますよ。家出されてしまったんでしょう?
僕は女性社員と共にクスクスと笑った。
眉毛が家出していたのである。正確には顔出と言うべきか。
眉毛がどこにも見当たらない。剃ったわけではない。どこかへ消えてしまったのだ。
困ったが、会社へ行かなければならない。
課長に怒られた。
「おまえ、眉毛を剃ったのか? 我が社の社員らしく、きちんとした格好をしろ!」
「いや、これは剃ったのではなく、眉毛がどこかへ家出してしまったんです……」
「下手な冗談はやめろ!」
女性社員がクスクスと笑っていた。
次の日僕は鏡を見てまた驚いた。
眉毛が口髭の部分に帰ってきていたのだ。
困ったが、会社へ行かなければならない。
課長に怒られた。
「おまえ、眉毛を剃るばかりでなく、髭なんて生やしたのか? 我が社の社員として、きちんとした格好をしろと言ったはずだ!」
「いや、この髭は眉毛なんです……」
「おまえ、私を馬鹿にしているのか?」
女性社員がまたクスクスと笑った。
その次の日僕は鏡を見て安心した。
眉毛が元の位置に帰っていたのだ。
僕はほっとして会社へ行った。
課長の眉毛がなくなっていて驚いた。
「課長、眉毛を剃ったんですか? 我が社の管理職として、よいのでしょうか?」
「いや、これは剃ったんじゃないんだ……」
わかっていますよ。家出されてしまったんでしょう?
僕は女性社員と共にクスクスと笑った。
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